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school Love  作者: 向日葵
4/7

優しさ


小野寺くんはとても優しくて、思ってたより話しやすかった。

彼がバスケ部だって事 この時初めて知ってびっくりしたの覚えてるな。


【鳥塚さんって、気になる人とかいないの?】


気になる人かあ…。

いる、けど…。


私は少し迷った。

だけど、小野寺くんなら大丈夫だろう。なんて根拠のない思いが私の背中をおした。


【いるよ!実は葉山くん、なんだ。(笑)】


ピロリン♪

すぐに返信がきた。


【葉山か!すごいいいヤツだよな!】


私は自分の好きな人を共感してくれたことが嬉しかった。


【だよね!小野寺くんは?誰かいないの?】


ピロリン♪


【好きっていうか気になる人?はいる!でもわからないとおもうよ!(笑)】


そう言われてすごく気になった。

言われて分からなくても聞きたくなった。(こういう性格みたいで…)


【私言ったから教えてよ〜!(笑)】


ピロリン♪

返信は相変わらずはやかった。暇だったのだろう。


【女テニの安西 アヤ先輩!わからないでしょ?(笑)】



案の定、わからなかった。

安西先輩…かあ。

だれだろう?



【わかんない!(笑)でも、お互い頑張ろうね!】


そう返信した。

それから少しやりとりをしてばいばいをした。



この日から私は小野寺くんと仲良くなった。

それまでクラスでも話さなかったのに 挨拶をし始め、お互いの話をして 楽しかった。



ある日、私は 葉山くんが気になる人から好きな人に変わったことを小野寺くんに伝えた。

それからこんなことがあったんだ、とか

たくさん相談した。



夏休みに入った。

高校初めての夏休みは部活漬けだった。


私はバドミントン部。

小野寺くんはバスケ部。


お互い体育館部活だから、自然と夏休みも会うことが多かった。



夏休みもメールのやりとりをして、宿題の答えを貸し借りして。部活前に答えを渡しにいったりしていた。



私には、葉山くんが好きな事を言ってある女友達が1人いた。 斉藤 里奈 (さいとう りな)ちゃんだ。


その子からあのことを聞いたのは、夏休み半ばの暑い日だった。



【ゆり、ごめんね。言おうか迷ったんだけど、言わないままだとなんだかゆりのこと騙してるみたいで嫌だから…。

言うことにするね。実は、葉山くん私と同じ部活の七瀬ななせ 麻由香まゆかちゃんと付き合い始めたんだ…。】



メールをみて、びっくりした。

些細な事で舞い上がってた自分が少しバカらしく思えた。


でもなぜか それ以上の思いがなかった。

もっと悔しかったり、泣いたりするんじゃないかって思ってたけどそんなことはなかった。





【小野寺くん〜!聞いてっ。葉山くん彼女いるんだってさ!びっくりしちゃった】



部活帰りの電車の中で私は小野寺くんにメールをした。



【ごめん。実は俺も知ってた。傷つけちゃうかと思ってなかなか言えなかった。】



なんだ。

2人とも知ってたのか。



優しいな。

言わないと騙しているようだからと、意を決して私に真実を言ってくれた里奈。


傷つけまいと 優しい嘘をついていてくれた小野寺くん。



その時私は 失恋した悲しみよりも 友達の優しさが嬉しかった。


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実際の物語です。
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