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かしかり  作者: 湯城木肌
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少年-15.過ぎる夏休み

 文化祭は成功した。クロージングに流す映像の編集は三年分の弱音を吐きながらも完成できた。好評だったので作った側としても嬉しいものだ。俺が脚本を手がけた話の感想は聞かないが、とにかく終わりよければ全て良しだ。

 文化祭が終われば一学期も終わりと考えていい。残るイベントは期末テストぐらいのものだ。


 何も変わらない日常が過ぎ、夏休みに突入する。終わる気がしない量の課題が出され、反比例して休みの期間は短い。休みであるのに休ませる気などないのだ。やる暇が削られる運動部活動生でなくて良かった。

 悪友は解答や俺の答えを書き写し、三日で大半の課題を終わらせていた。最早ただの手の運動にしか過ぎない。

 夏休みの間、悪友から遊びの誘いが何度来たかわからない。サッカー部の練習は行われているのかと疑問に思うくらいだった。去年までは大半を断っていた。しかし今年は反対に大半を受け入れた。苅谷さんの顔が脳裏に過ぎらなかったと言えば嘘になるが、それが理由ではないはずだ。来年の夏は受験一色となるから今年の内に遊んでおくためだ、きっと。


 結果として悪友の誘いで苅谷さんと会ったのは一回だけで、バイト先で会うことのほうが多かった。一週間に一回映画を借りにくる。恋愛モノが多かった。

 借りに来るついでにお金を返してもらった。バイト先なら誰にも会うことがないから適当な場所だ。七、八月と返してもらい、残りは四千円になった。

 この関係は、早く終わらせてしまいたい。


 そんなこんなでたいして特別なこともなく、高校二回目の夏休みは終わった。

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