表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

素人表現者の鈍足成長譚

イニミニマニモイマニミロ

作者: 腹黒ツバメ


 拙作はすこぶる若輩者である私のしょうもない自問自答を文章化しただけの、いわゆる駄文です。

 鼻で笑う程度にでも楽しんでくだされば嬉しいです。

 よろしくお願いいたします。





〈イニミニマニモイマニミロ〉



 眼前には、幾多にも枝分かれした道が伸びている。

 その行先は見えない。けれど、選択肢だけは無限大にあった。

「俺は……」

 俺は腹の黒い燕。異端者。醜いアヒルの子。

 そして、似非小説家だ。

 正面に広がる樹形の道は、自らの展望――いわば目指すべき方向性だった。

 自分がなにをしたいか、なにをすべきか俺は苦悩していた。執筆をしようにも筆が進まない。一丁前に、スランプってやつかもしれない。

 ならず者の自分に制約はない。人様に迷惑さえかけなければ、どんな行動を起こそうと自由のはずだ。

 だが、だからこそ。

 あまりに供給過多の可能性に、俺は己を見失っていた。

 ――なにを書けばいいんだ、俺は。

 優柔不断ここに極まれり。目的地を知らぬ迷子に、為す術などないのだ。

 いつからだろう。自分がなにをすべきか疑問に思い始めたのは。

 俺が俺に俺を問いかけたのは。

 投稿したばかりの頃は、ただ我武者羅だった。

 書いて、読まれて、書いて、読まれて、読んで、読んで、書いて、ときたま感想をもらったりして。

 ――楽しかった。

「駄目だ」

 記憶の去来が余計な思考を生んで、ますます混乱が深まっていく。

 後ろを――歩んできた道程を振り返るばかりでは未来は見えない。前を向かなくちゃ、進まなくちゃ。

 しかし、思いとは裏腹に心の片隅に生まれた感傷は次第に肥大化していく。

 俺は無意識にマイページを開いていた。

 全二十五作品の未熟な軌跡。

 でも今の俺は、その不格好な歩き方さえ忘却している。

 なあ、あの頃の俺。おまえは、なにを思い小説を書いていたんだ……?



 淡々と、手掛かりを求めて読み返す。

 まったく無節操、無分別、不作法に書き殴ったばかりの駄文群。統一性など皆無で、傍からは迷走しているようにも映るかもしれない。

 けれど俺は、そこに一筋の光明を見た。


「――それで、いいんだ」


 そう、それでいい。

 俺はなにを無駄に気負っていたのか。所詮はしがない似非作家の身。方向性だのなんだの“本物”っぽいことで煩悶するなんて、片腹痛い。なんとまあ阿呆らしい。

 気楽に、適当に。

 モドキはモドキらしく、手前勝手に書けばいいのだ。

 言葉は悪いが、それが真実。

“なにをすべきか”なんて、実力も情熱も半人前の自分が悩んだって、正答のない命題だ。ご丁寧に決められた道筋をひょこひょこ歩く必要性なんてないのだから。

 難しく考えてばかりの自分が、無性に恥ずかしい。

 好きに書けばいいだろうが。

「このジャンルはアクセスが増える」とか、「このテーマは人気が出ない」とか、そんなもん全部忘れろ。

 俺の最高権力者は俺だ。誰にだって譲れない、誇り高き役職。呑み会の幹事なんかとは次元が違う。

 すべて俺の一存、鶴の一声で動く。疾走か失速か失踪か。「どれがお好み?」なんて誰が聞いてやるものか。

 まあ、現状ブレーキを踏む予定なんてさらさらないのだが。



 なにかができる。

 なら、なんだってやる。


 歩き続ければ、いずれどこかに辿り着くだろう。



 画竜点睛は、まだ。








 読んでいただきありがとうございます!

 近頃他人の評価を気にしてばかりの自分の腑抜けた根性を叱咤してみました。この〈小説家になろう〉サイト様での、多くの方々との出会いを自分にとってマイナスにしないために。

「自分の好きに書く」

「誰かのために書く」

 二律背反の方向性、けれどこれこそ私が目指そうと決めた指標です。

 以後も苦難に負けず気張っていきますので、どうかよろしくお願いいたします。


 当面の苦難っていうと……夏バテ?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ