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世界は俺の隣を中心に回っていた  作者: 白白明け
黒髪赤眼ツインテヒステリー女
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第三話



格闘家の訓練所は落っこちた広場からそう遠くない場所にあった。

ゲームを始めたプレイヤーは全員が一度、訓練所に行くわけだから当然か。

二畳ほどある大きさの半紙に『来たれ格闘家っ!』と書かれた垂れ幕のある建物をみて、思わず目を見張る。

そして周りを見渡してみるが、おかしい。

明かに此処には人気がなさすぎる。

来る途中に見た侍の訓練所や魔法使いの訓練所には人だかりができていたのに、どうしてここには俺しかいないんだ。

やはり、夏木と弟のいっていたことは本当なのだろうか。


「はっははっ!まっていたぞ若人よっ!我がこの訓練所を取り仕切るものであるっ!」


中に入ると、スキンヘッドで筋肉ムキムキのおっさんが仁王立ちしていた。


「いやいや、今年も新人が不況で暇に喘いでおったのでな、よかったよかった。そらとっとと入れ。我が格闘家の素晴らしさを伝授してやるぞ」


「はあ、お願いします」


大そう機嫌が好さそうに俺を中に連れ込むムキムキのおっさん。

ちんまいおっさんといい、このムキムキのおっさんといい、俺はおっさんの呪いにでもかかっているのかもしれない。


「で、お前の名前はなんという?」


「・・・マッキ―です」


「マッキ―か、男のくせに可愛らしい名だな。まあよい、マッキ―よ。お前は今年の我の一番弟子だ!よかったな!」


ああ、やっぱり格闘家の職業を取った奴はほとんどいない訳ね。

大声で格闘家の説明をムキムキなおっさんが始める中、俺は弟とかわした会話を思い出す。


『いいかい、兄さん。

格闘かっていうのはいわゆる地雷職(戦闘では役に立たない職)ってやつなんだ。

侍程の攻撃力がなくて、忍者や盗賊よりも遅いし、騎士の様な防御力もない。

魔法使いのように魔法を使える訳でもないしね。

器用貧乏?秀でた強さはないけど弱点がない?

うん、そう案内人に説明されたんだろうけどそれは違うよ。

オールラウンダーなのは戦士さ。

格闘家が地雷って言われるのはね、武器が装備できないからなんだ。

それに比べて戦士は格闘家と同じように秀でた力はけど弱点も無い、その上で盾も剣も持つことができる。

こういっちゃなんだけど、格闘家っていうのは戦士の劣化なんだよ』


そういうことはもっと早く教えて欲しかったよ、お兄ちゃんは。


「―――という訳で、いいか、格闘家とは武器等という貧弱なモノに頼らずジョブスキル拳法によっておのれの肉体で戦う漢の職業なのだっ!わかったな!」


落ち込んでいた所為でほぼ聞いていなかったが、頷いておく。

たぶん弟の説明を贔屓目で見た感じのことを話していただけだろうし。


「よし、では次に我が自らお前に格闘家のジョブスキルを授けてやろう。行くぞっ!はああああぁぁ」


掛け声と共に禿のおっさんのムキムキの筋肉がさらにムキムキに膨張していく。

やばい、気色悪い。

地雷とかなんとかいう前にこれじゃ、女子は格闘家なんて選ばないんだろうな。


「ほおおぉぉぉぉぉっ!」


「ぎゃああああああっ!」


超ムキムキになったおっさんはいきなり突撃してきた。

そして、そのまま俺にベアハッグ(相手の胴回りに両腕を回して持ち上げ、絞め付ける。柔道のサバ折り)を喰らわせてきた。

筋肉が熱いっ、汗臭いっ、なんかぬるぬるするっ。


「ふぅ、これでお前はジョブスキルを文字通り身体で覚えることができたぞっ!感謝するのだぞっ!ガーハッハッハッ!」


「い、意味わかんねぇ」



『マッキ―』はジョブスキル『拳法』『カウンター』『がまん』『ラッシュ』を習得しました。



∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇



あの後、怯えていたムキムキのおっさんの追撃も来ることがなく。

俺は訓練場の案山子を借りて、格闘家の戦い方や習得したばかりのジョブスキルの練習に励んでいた。


拳を握り案山子の前に立つ。

案山子は動かない、俺は案山子に突っ込み、藁で出来た身体に三度拳を叩きこむ。

案山子の上に表示されている体力バーが5分の1ほど減る。

このままいけるかと思えば、案山子もやられてばかりではない。

動けない癖に腕を伸ばし殴りかかってくる。

俺の体力バーは10分の1ほど減る。

案山子の攻撃は単純だ、次は油断しないで攻撃を避け懐に入り込んだ。

そしてスキル、『ラッシュ』を発動。

『ラッシュ』は攻撃を喰らうか自分で止めるかしない限り自動的に殴り続けるスキルだ。

俺は攻撃を続け、攻撃を喰らい止まるまでに案山子の体力を半分以下にしてやった。

怒ったのか大ぶりになり始めた案山子の攻撃を腕ガードしながら耐える。

距離を取り案山子の攻撃が届かないところまで逃げた。

案山子も冷静になったのか、攻撃が止まった。

数秒の睨みあいの後、俺は案山子に突っ込み、案山子は腕を振りかぶる。

ここでスキル『カウンター』の発動だ。

互いの攻撃が交差し、俺の拳は案山子の顔にあたり、案山子の攻撃は外れた。

案山子の体力バーが一気に減った。

どうやら『カウンター』で攻撃が当たった場合、普通より多くダメージを与えられるようだ。

案山子は倒れる。

俺は、勝利したのだ。


案山子との激闘が終わり、いい汗をかいた俺がタオルで汗を拭っているとムキムキのおっさんがやってきた。


「ふむ、流石は我が一番弟子だな。熱き漢の戦いであったぞっ!そして、ジョブスキルの習得も肩慣らしも終わった今、行くのであろう?これを持っていくがいい」


赤いスポーツバックを投げ渡され、開けてみると中にはお金と腕装備が入っていた。


「もらっちゃっていいんですか?」


「当然だ。弟子に選別も渡せずに何が師か。もっていくがいい、そして世界に飛び出すのだっ!マッキ―よ、この世界は広いぞ。必ず一つや二つ、お前が得たいと思うものがあるだろう。それを見つけたなら、力の限り戦い掴み取るだけだっ!それが漢の歩む道っ!」


このおっさん。

禿でムキムキで暑苦しいけど、すごいカッコイイおっさんなのかもしれない。


選別を受け取った俺はおっさんと熱い挨拶を交わし、訓練場を出ていく。


「強くなれっ!マッキ―よ、お前は強くなるのだっ!」


訓練場を出た後も大きく手を振って見送ってくれたムキムキのおっさん。

周りからは何事かと視線を向けられるが、この時だけは気にならなかった。



プレイアーネーム  『マッキー』

レベル       『1』

職業        『格闘家』

スキル       『拳法 カウンター ラッシュ がまん』

セットスキル    『拳法 カウンター ラッシュ がまん』空きスロット2

発動スキル     『拳法 カウンター ラッシュ がまん』

称号        『初心者』

所持金       1000G

装備        頭 無し

腕 アイアンアーム

          胴 麻の服

          腰 麻の腰巻

          足 麻のズボン



∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇




オウコク学園都市

それがこの世界で学園の生徒達の生活の中心となる、この街の名前らしい。

建物はいかにもファンタジーらしい、中世を思わせる街並み。

見上げるほど大きな城を中心に発展を遂げている。

訓練場や宿屋、薬屋、武器屋などの店はもちろん、鍛冶師、錬金術師、裁縫師、料理人、農家などの生産職に貸し出す設備も充実した基本的な都市としての機能を持った街である。


俺があるいている大通りでは露店が多く建ち並び活気にあふれると冊子にはかいてあったんだけど、今はNPC(ノンプレイヤーキャラ)がぽつぽつと店を出している程度だ。

まだゲームが開始して一日目、此処を賑わせる筈の生産職のプレイヤー達は今頃、売る商品を作ったり、材料を集めたりしているのだろう。

そんなことを考えながら、俺は大通りを抜けて街を出ていく。

向かう先はムキムキのおっさんに教えてもらった『朝の草原』。

此処には低レベルのモンスターしか出ないので、始めのうちのレベル上げにはいいらしい。

つまりここからプレイヤーたちの冒険は始まる訳だ。

ゲームなんてと思っていた俺だが、ちんまいおっさんやムキムキのおっさんと出会うことで面白そうだと思うようになった。

無論、この講習が過ぎた後も授業としてゲームを学ぶつもりはないが、講習の三日間の間は楽しもうと思う。


俺は柄にもなくウキウキしながら『朝の草原』へと向かった。




∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇




『朝の草原』へと意気揚々と繰り出して行った俺だが、結果は凄惨なものだった。

目が覚めればそこは始めに落ちてきた場所、どうやら体力バーがゼロになり死ぬと此処に戻ってくるらしい。

これで合計9度目の死に戻り。

正直、舐めていたのかもしれない。

フィールドで出てくる敵は案山子とは違い、強すぎる。

緑色でゼリーのような半透明の敵、スライムに全く勝てない。

あいつは強すぎる。

殴って殴ってもプルプルと震えるだけで殆どダメージを受けないのだ。

『ラッシュ』を使い攻撃し続けてなんとか体力を10分の1に減らすことができるが、そうしている間に俺の体力がゼロになる。

本当にアレは初心者用の敵なのか?

いくらなんでも強すぎると思う。

そんなことを考えていた俺だがこうしていても仕方がないと立ち上がりもう一度『朝の草原』に向かうことにする。

次は頑張ろう、無理はせず避けられない攻撃はガードで防ごう。

長期戦覚悟の戦闘へと俺は向かった。


結果、惨敗。

都合10度目の死に戻り。

一体のスライムと長期戦をしているといつの間にかスライム達に囲まれ集団リンチを受けた。

あのまま一対一だったならなんとか倒せていたかもしれないのに。

しかし、ショックだったのはそれだけじゃない。

死ぬ寸前に見た光景だが、俺より背の低い女の子がナイフでスライムを切り裂いていた。

どういうことだろう。

俺があんなに頑張っても倒せない敵を女の子がまるで雑魚だとでもいうように蹂躙していた。

流石におかしいと思う。

まさかとは思うが、地雷と呼ばれる格闘家は攻撃力が皆無なのか?

いや、訓練場で案山子を倒すことは出来たし、ムキムキのおっさんは格闘家の攻撃力は侍程ではないにしろそれなりに高いと言っていたからそんなことはない筈だ。

俺はムキムキのおっさんを信じている。

他に何か原因がある筈だ。

俺は考えた末、冊子に乗っていた交流の場である『酒場』を思い出し、そこに向かうことにした。



――酒場、さまざまなプレイヤーが集う場所。

主にプレイヤ―同士の交流やパーティーを作る相手をさがる場所として利用される。また、マスターが簡単な料理を作り提供してくれる冒険者たちにとっての憩いの場所である。




∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇




酒場は人で溢れていた。

ほぼ全員がニ三人のグループで固まっているところを見れば、殆どの人達はパーティーを組むために集まっているのだろう。

しかし、俺がすることはパーティーを作ることではない。

冊子に書かれていた情報掲示板というものをみることだ。

人の波にのまれないように進み、壁に掲げられた『情報掲示板』の前に立つ。

掲示板は一見、ただの汚い紙が貼られただけのものだが、傍に書かれた使い方の説明通りに手をかざせば目の前にスクリーンが現れる。

『朝の草原』の項目を捜す俺。

こうしている間にも、情報掲示板には様々な項目が増えていく。

俺が死に続けている間にゲームを進めている奴は大勢いるということだろう。

それを少し悔しく感じながら、俺はスライムの情報を集めることに集中した。


結果、スライムは雑魚だということが判明した。


スライムは朝の草原で出るモンスターの中で一番弱いモンスターらしい。

案山子よりも弱いと書いてあって驚いた。

ならばなぜ俺が勝てないのだと詳しく調べようと思ったが、ドロップアイテムが『きれいな水』だということ以外書いてはいなかった。

書いていないことは調べようがない、なら此処にいる誰かに情報を聞くしかないんだが。


辺りを見回すが、そこには髪の色が明るい人ばかり。

顔立ちも変えている人が多いのか、日本人には見えない人達が多いのだ。

何となく話しかけずらい、こういう時に早乙女がいれば何でもかんでも勝手に喋ってくれるから便利なんだけど。

そんなことを考えながらなるべく話しかけやすそうな人を捜す俺。

すると、ゲームの世界では珍しい黒髪を見つける。

俺より背の低い、黒い髪をツインテールにしている少女だ。

この世界に来ておっさんばかりと話している、別に女好きという訳じゃないけどそろそろ女の子とも話したい。

そんな若干の下心を持ったまま、俺は黒髪の少女に話しかけることにした。


「はぁ、なにアンタ。話しかけないでくんない。変態」


黒髪ツインテールの少女は赤い目で俺を睨みつけながらそう言った。

第一声がこれだ、どうやら俺は選択を間違えたらしい。

思春期の頃の妹ですらこんなに刺々しくはなかった。

しかし、ここで何でもないなどと逃げたならそれはそれで罵倒されるだろう、俺は出来る限り丁寧に話すことにした。


「いや、聞きたいことがあるんだけど。朝の草原に出るスライムが何故か全然倒せないんだよ。訓練所に置いてある案山子より弱いって掲示板に書いてあったのに。たぶん何か理由があるんだと思うんだけど、何か知らない?」


「はぁ?スライムが倒せないって、あんなのザコ中のザコじゃん。あんた、どれだけへたくそなわけ?・・・って、武器を何も持ってない装備って、あんたもしかして格闘家?」


頷く俺。

それを見た途端、嫌な感じに含み笑いを始めた少女。


「・・・・・プッ・・クスクス・・まじぃ~、っていうか格闘家なんて選んでる奴いたんだ。ありえね~しょ、あそこの訓練所にいるおっさんはキモいって有名だし、格闘家なんて戦士の劣化じゃん。なのにわざわざ格闘家って、なに?そこ笑うとこ?あんたゲイなわけ?・・・プッ」


・・・・なんだ、この糞ガキっ。

いや、ここにいるってことは俺と同じ高等部1年なんだろうけど、こんな奴は糞ガキで充分だろ。

俺はともかくムキムキのおっさんのことまで馬鹿にしやがって。

だが、俺はこんな安い口げんかを買うほど馬鹿じゃない。

糞ガキだろうが女の子であることには変わらない訳だし、我慢だ我慢。


「クスクス、うわ、なんかこっち見てるよぉ~。うざぁ~。マナは本当のこと言ってるだけじゃん。あんたもさぁ、格闘家なんかやってないで早く転職してくれば~。前衛なら私みたいに騎士か侍っしょ。じゃなきゃ、パーティーに入れてもらえないよ?ああ、元々ゲイでコミュ障でボッチだから無理か。プッ、クスクス」


――ごめん、無理だわ。

どんだけ性格が悪いんだ、この女。

流石に我慢はできないだろ


「ちっ、うっせーな。そう言うお前は大丈夫なのか?友達が一人もいねーんじゃねーの?そんな性格してたらさ」


「っっ、うっさいな。マナをあんたなんかと一緒にしないでっ!」


音をたてて座っていた椅子から立ち、壁際にいた数人のグループの中に入る糞ガキ。

仲間だと思われる数人と一言二言話した後、此方に含み笑いを向けてきた。


「あんたなんか、一生ソロでゴブリンでも狩ってればいいじゃん。ば~か」


そう捨て台詞を吐いて糞ガキは酒場から出ていった。

やばい、殴らなかった俺を誰かに褒めて欲しい。

最悪な気分のまま、俺は酒場で立ちつくすのだった。



酒場でお冷を頼みしばらく熱を冷ましていた俺はふと思ったんだ。

あの女がいっていたことなんて考えたくも無かったんだが、『一人でゴブリンでも狩っていれば』とはどういう意味だろうか。

ゴブリンというのは『朝の草原』で出てきた緑色の小人のようなモンスターのことだろう。

明かにスライムより強そうだったため、見かけたら逃げることにしていたが、あの性格の悪い女は俺にゴブリンと一人で戦えと言っていた。


それはスライムも倒せない俺にもっと強い敵と戦えという嫌味なのか、それともスライムではなくゴブリンが相手なら俺が勝つことができるということなのか。

十中八九前者だろうけど、騙されたと思ってゴブリンに挑んでみるか。

倒せないにせよ、何もしないよりはましだろうから。

そう考え、11度目の『朝の草原』にチャレンジする俺だった。



∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇



『朝の草原』に入ってしばらくしていると、一人でうろうろしているゴブリンの姿を見つけた。

他のゴブリンやスライムの影も無い。

俺はゴブリンへと向かっていった。

俺を見た途端、ゴブリンは此方に向かって突撃してくる、持っているこん棒を大きく振りかぶった。

その攻撃は案山子より少し早いという程度、俺はタイミングを合わせて『カウンター』を発動する。

しかし、タイミングを誤ってしまったようで交差した攻撃を避けきれず、ダメージを受ける。

だが俺はバランスを崩したゴブリンの体力バーを見てにやけた。

効いている。

スライムとは違い確実にゴブリンの体力バーは減っていた。

俺は喜びのあまり叫びながらゴブリンへと突っ込んでいく。

こん棒の振り下ろし攻撃を避け、拳をゴブリンの顔に叩き込む。

ひるんだ所で『ラッシュ』を発動。

「ゴォォウゥゥ」

醜い声をあげてゴブリンは倒れた。


「はっ、ははっ。あはははっ」


思わず零れる笑いを止めきれない。

敵を倒したという充実感にしばらく酔いしれた俺だったが、これがあの糞ガキの助言のお陰だと思いだすと素直に喜べなくなった。

胸に残るもやもやと消す為にこの後、ゴブリン狩りに勤しんでいた途中、またスライムに囲まれ集団リンチを受け死に戻りをした。


いつもの広場に死に戻ると空がそろそろ暮れて来ていることに気づく。

熱中していたせいか、ゲームを始めてからまだそんなに時間はたっていないと思っていたんだが、実は既に6時間以上が過ぎていたようだ。

ゲームという娯楽はマジですごい、もしハマりすぎてしまったら時間を経つのも忘れやり続けてしまう人達が出てくるだろう。

MMOカリキュラムを行う意味を俺は身を持って実感した。


寒気を覚えたので今日はこれまでにしようと泊まる宿を探しに大通りへと向う。

途中、立ち寄った酒場でスライムについて新しい情報が書き込まれているのを見た。

スライムは『打撃耐性大』というスキルを持っているそうだ。

あの糞ガキはそれを知っていて知らない俺を鼻で笑っていたんだろう。

宿屋のベッドの上でそんなことを思った俺は歯がゆい気持ちのまま、眠るのだった。




レベル 1→2→1

取得アイテム 『壊れたこん棒』

称号獲得 『マッキー』は条件『一日でレベル1の敵に十回以上殺される』を満たしましたので新しい称号『負け犬』を手に入れました。

所持金830G(1000-お冷+夕食150-宿代50+戦闘で拾った金30=830)



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