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堕ちる  作者: seru
4/9

◇ 4

 彼女が家を出て行ってからの数日間、私は彼女の家と公園の往復を繰り返していた。朝起きて、公園へ向かい、そのまま夜までベンチで過ごし、家に戻って眠る。

 けれど、これでは駄目なのだ。彼女との出会いを回顧するだけでは、彼女に堕ちることは出来ない。頭では分かっている、何の意味もないということを。でも、だからといって、どうしろと言うのだ。私は彼女のお人形なのだ。公園で、あの手を取ったあの瞬間から。一体、どうしたら良い。彼女に堕ちるとは、彼女に染まるとは、彼女の者になるとは、どういうことなのだ。

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