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「ジャスパー・ブレイディさん。少し話をきかせてもらっていいかな」




 シティーホールに戻り、午後の稽古の数分の休憩時間を狙って、ヒューは標的その二に近づいた。




 話しかけられたジャスパーはトランペットの手入れをしている最中で、返事もせずにいぶかしげに目線を上げる。




「僕はヒュー・イシャーウッド。音楽魔法具店の者だ。こちらは助手のティナ・チェルシー。ダーエ嬢からとある依頼を受けていてね」




 だが、ヒューの差し出す名刺は、存外素直に受け取った。




「ふぅん。大方ミュージカリー・カップだかの件だろ」


 ヒューの目元が柔らかな線を描く。


「それがわかるということは、すでにダーエ嬢から話を聞いているんだね」


 短く息を吐いて、トランペットを磨く作業を再開しながら、ジャスパーは答える。


「同じ楽団仲間だから、毎日顔はあわす。顔があえば勝手にあの女がしゃべる。それだけだ」


「どんな魔法具か、形状などは聞いているかい?」


「さぁ。どうせ女が喜びそうな宝飾品の類か」





 ぴくりと、やはり後ろで控えていたティナの耳も反応せずにはいられない。


 ――ブローチって知ってるくせに、とぼけてるんだわ。

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