表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/138

 右へ左へキースが繰り出すナイフをよけていくが追い詰められる。




 半面の瞳は無表情。




 虚ろな目でヒューは松明を放った。





 演舞のように舞った松明は標的を大きく逸れて、奥のマントルピースが燃え上がる。




「ばかめ、大幅に外しやがって」




 湖上に浮かぶホテルの別館。


 外には大量の水。




 キースは窓からたくわえた水であっという間に燃え盛る炎を消火してしまう。




 ティナはなんだか泣きそうな心地になる。




 ――もう、なにやってるのよ。




 できることなら心の中で恨みつらみを並べ立てたかったが、残念ながらそれは許されなかった。




 マントルピースの戸棚から錠を取り出したキースが、ティナの閉じ込められている小部屋とのつなぎ目に向かってきたのだ。




「さあ、これでわかったか。オレに歯向かうことが間違いだったんだよ。大人しくしろ」




 ちらとティナに目をやり、笑う。




「悪いな、オレ以外の才能はできるだけ消えてもらう方針なんだ」




 キースは部屋と部屋とつなぐ足元に錠を射し込み、切断する――。




 ティナは視線を床に落とした。




 もう終わりだ。




 この身は単身、湖に投げ出され、滝つぼに落ち、砕け散る――。




「――ん」





 ティナはそっと目を開く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ