表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/138

 赤茶色の水面に映る元来は菫の目は、底知れぬ黒と見える。




「この命に代えても」




 チュチュはしばし、言葉を忘れた。




「そう、なんだ……」




 こんな底のなさそうなへらへらした兄さんも、色々抱えているのかもしれない、と思う。




 あんなに歌を愛していたお姉ちゃんが、ぱったりと舞台を、いや歌うことすらやめてしまったり。





 大人って、わからない。




 ほら。


 湯気越しに見えるのはもう食えない笑顔だ。




「ここからさきは、ひみつ、かな?」




 ティーカップを傾けるヒューにならってチュチュも、ティーセット下段のフロランタンを手にとり先をかじった。




 冷めてしまったかもと思っていたそれは案外、十分なぬくもりと食感を保っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ