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 ぽつりと呟かれた言葉は、刹那、レインの顔から毒気を奪う。





「今回せっかく射止めた主役をレインができなくて、残念だけど。そのことで自分を責めてるのかもしれないけど」




 しゃがみこんだまま、まっすぐ上げた瞳はほんの少しだけ潤み。




「あたしは、バロタン・ボックスのために川に飛び込んでくれちゃうレインのほうがいいよ」




 夕日に照らされ上気した頬で微笑むチュチュは、まるで、水彩画の中の少女のように見える。


 そんなふうに思ってしまった気まずさからなのか。




「……なんつーか。さ」




 首筋をかきながら、斜め上を睨み、レインはぼそりと言葉を落とす。




「別に、誰のためでも飛び込むわけじゃねーし」




「うん!」




 次の瞬間にはチュチュは、いつもの――そう、いうなればポップなスクールミュージカルに出てくるような少女に戻っていて。




「友達だから、だよね! 友情にあついところ、かっこいいと思う!」




「……」




 衝撃にがっちりと固まるレインの肩にヒューがぽんと手を置いた。






「事件は解決したが、お互い、恋のほうは前途多難なようだね」

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