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 その重みを悟ったヒューはいやその、と口元を動かした。


「失礼かもしれないことは承知だが、姉妹を支える者として、こういうことは知っておきたいな、とね。無理にとは言わないが」


 ちら、と窺うようなティナの視線を受け。





 こくんと、チップスを飲み下したチュチュが頷いた。





 ヒューにその大きな目を向け、語り出す。




「パーヴェル音楽学校では、半年に一度、公演が開かれるのは話したよね。学内だったり、外に出張に行ったり。みんなを招いて学習の成果を発表するの」




「あたしの学校での成績は中の中って感じで、主役なんて夢のまた夢なんだけど。ダンスだけは結構いいところまでいく時があるんだ。あるとき、ダンサーを主役にしたミュージカルをやったことがあって、中心で踊ったら映えるかもって先生に注目してもらったことがあったの」


 もりもり進んでいたチュチュのカトラリーは今は大人しく皿の前で眠っている。


「チャンスだって思った。主役をどうしても射止めたくて。そのステージでは軽やかなステップが重要で、体重を減らそうとしたことがあったの」


 ヒューがかすかに目を見開く。


 チュチュの体形は標準より華奢なほうだが、プロのダンサーは極限まで体重を絞ることもあると聞く。





「やりすぎて、レッスン中倒れちゃったんだ」



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