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 身体がソフトなアリアでも奏でているような感覚に、ティナは身を委ねた。


 現実感が薄れ、それが妙に、心地いい。




「おかげで好きになっちゃったじゃない。こんな、どうしようもないあなたなんかを」




 酔っているティナにさりげなく水を勧めながら、ヒューが応える。




「はは。それが狙いだったかもね」




 その背を支え、囁いてくる。




「ここだけの話、そんなことを言いながら僕だってしょっちゅう逃げ出したくなっていたさ。自分自身の人生から」




 突如襲ってくる猛烈な眠気に抗いながら、ティナは言葉を落とす。




「――そりゃ、そうよ」




 ぴくりと、ヒューの上体が揺れるのを、目を閉じたティナは気づかない。




「あれだけのことがあれば、そりゃ――逃げ出したくもなるわ……」

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