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 信じられない思いで呟いたその言葉にも、顔を背けられてしまう。


 だが、その返答は。





「当たり前でしょ。あなたがいなくなったら、誰がわたしのお給料を支払ってくれるの?」


 ふぅ、と吐息をロンドンの夜風に紛れさせ、


「――ありがとう」


 一言、ヒューは呟いた。


 菫色の瞳に、ロンドンの都市の生み出す光の粒が入り込んでは消えていく。


「ずっと捜していたものに、ようやくたどりつけそうでね」





 安住の地を見つけたとでも言うような、安らかさをほのかに残して。


 ヒューの瞳が再び、ティナを捕らえる。





「それが片付いたら、しばらくはロンドンにいるさ。きみといっしょに、音楽魔法具店の仕事をきちんとする。――それまでは、ちょくちょく出かけることが多いが。すまない」


 眉をすがめ、ティナが問う。


「捜していたものって?」


 ヒューがにっこりと深く笑んだ。





「大事な、僕の宝物」





「……」





 


「しばらくいろんな悪党たちの手を渡り歩いていた。だが、なんとしてでも取り戻す」

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