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作戦会議

何だか大変な事になってきていますね

「さて冗談はさておき、もう少し詳しゅう話さぬか和香」


「そうやね、でもその前に祐二君に聞きたいんよ。SFって何なん?AIって何のことなん?」


「えっとですね、SFっていうのはサイエンスフィクションって言って、僕が好きな小説の一形式なんです。日本語で言ったら空想科学小説となるんです。科学的な絵空事を使って書いたお話ってことなんですよ」


「そうなんや、そしたらもう一つのは?」


「これはアーティフィシャルインテリジェンスって言って…」


「なんやけったいな言葉やなあ、どこの国のなん?」


和香様の言いようがおかしくて僕は苦笑してしまった。


「アメリカやイギリスが主に話している言語ですね」


「ああ、そう言えばそんな国の連中居ったなあ」


「ご存じなんですか?」


「そうやね、昔ちょこっと行ってたことが有るんやけど、なんてゆうたらええんやろね?価値観の相違?なんや知らんけど気が合わんからぺっぺしてきたわ」


和香様言い方。


「それでそれを日本語に言い換えると人工知能ってなって、人間が作り出したプログラムによって、人のように知能を持ったものを言うことが多いと思います」


「なんと!祐二君ら人はもう自分達自身で知能を持ったものを作り出すことが出来るんや」


「もっともそうは言っても今の段階ではまだまだ鸚鵡返ししてきたり、元有る何かをまとめ上げるだけの性能くらいしか無いんですけれどもね」


「それでも偉いもんやと思うで。ただな、ほんのちょっとだけしか接触出けへんかったけど、今回逢うた奴はもちっと賢いゆうか、ちゃんともの考えるような雰囲気があったなあ」


 そう言う和香様の話を聞いて僕は思案した。最先端を自負するあちこちのインターネット企業がこぞってAIを開発しているけれども、和香様の言うようなきちんとした思考となると、未だどこも再現出来ているような話は聞かない。


 もちろん秘密裏にそう言うものを開発出来ている可能性だって無い訳では無いだろうから、全否定は出来ないのだけれども、少なくとも今考えられているようなものを実現する為には膨大な投資が必要なはず。


 となると仮に軍事関係のところだったりしたら、もっとセキュリティを上げて簡単には外から接触出来ないようにするか、もしくはネットから隔離するんじゃ無いだろうか?

あるいはそういうことを考えた上で敢えてネットに接続している?


 どうにも一高校生風情が考えたところで、答えが出るはずも無い問題だった。


「いずれにしてもやな、うちの接触を何をどう考えてか知らんけれども、危険あるいは危険に準ずると判断したその早さは特筆すべきもんやし、その後ここいら一帯を停電させて追跡を防止するやなんて、並大抵のもんとはちゃうと思うんよ」


「なるほどの」


「それとな、もう一つ気になるんは、周りのことも気にせんとこれだけの手を打ってくる相手やんか?既にこっちのこと敵認定しとるんとちゃうかなって思うんよ」


和香様のその言葉を聞くと雨子様は眉間に皺を寄せた。


「それはちとやっかいじゃな」


「そうなんよ、こうやってご厄介になってしもうたから、祐二君の家族含めて皆手下てかみたいなもんやんか?そしたらこのお相手が手を出しけえへんと思う?」


「可能性は大いにあるの」


「やろ?これはある意味うちは、とんでもなくまずい手を打ってしもたことになるんよね。まいったはこれは」


「祐二には我が付いて居るからまず心配は要らぬじゃろ、じゃがそれ以外の家族となるとの。特に時期が時期だけに葉子が心配じゃ」


「う~~~ん」


そう言うと和香様は頭を抱え込んでしまった。


「あのう、和香様」


「うん、なんやのん祐二君?」


なんだかすっかりしかめっ面になってしまっている和香様。


「可能性の話なんですが、僕が考えられることを話しておきますね」


和香様は僕のその言葉を聞いてにっこりと微笑んだ。


「この際や、どんな情報でも大歓迎やで?」


「まず相手についてなんですが、僕が読んでいるSFの話からいくつか可能性を考えると、いくつか有ります。一つはどこかの企業が作っているAI、もう一つはどこかの軍関係のところが作ったAI、大学とかはどうかな?お金が無いからそんなに簡単には出来ないかな?更にもう一つはネットという入り組んだウエブの中で自然発生した可能性。これくらいかなって思います」


「うんうん、それでそれで?未だ話は続くんやろ?」


こんな深刻な話になっているのになんだかわくわくとした顔で居る和香様に思わず苦笑してしまう。


「いずれにしても現状だとAI自身が僕達人間に命令して何かをさせると言うことはまず無いと思うんですよね。だから何かあるとしたらそいつらが直接手を下さないと仕方ないんですが、となると影響を与えることが出来るものは必然的に限定されてくると思うんです」


「ふむ、となると祐二はこの相手が手を打ってくるとすれば、ネットと電気的に繋がって居るところに限定される可能性があるというのじゃな?」


さすがに雨子様は昨今ネットを良く活用しているだけ有って、その理解も早いみたいだ。


「はい、もっともそうは言っても十分に広い範囲なんですがね」


「いや、祐二君十分にお手柄や。そこまで限定されとったら手も打ち易いし打てるよ」


とは和香様。


「うむ、それに対応して特化させた分霊を拵え、各々に付かせておけば良いのじゃからな」


「そうやね、それに加えて微細な極小分霊を要所要所に入れとくは。次接触したら相手に分らん様に追跡出来るようにしとく」


「因みに和香、葉子については我の方で分霊を拵えてつけておく故、そなたは父御と母御のことを頼む」


「ん、分かったで。やれやれこれでちょっと安心やな」


ここで僕は可能性として危惧すべきことがあることを伝えなくてはならなかった。


「すいません、可能性の話なんですが…」


ほんの少し眉を上げた雨子様がじっと僕のことを見る。


「むぅ?未だ何かあるのかえ?」


「はい、あくまでお話の中に出てくる可能性なんですが、人間は宇宙に人工衛星なるものを打ち上げているのですが、もしかするともしかで、これに干渉してここいらに向けて落下させるなんて言うこともあるかも…」


それを聞いた和香様はぎょっとした顔になった。


「宇宙に人工衛星?なんやのんそれ?」


和香様のその様子を見て苦笑いした雨子様は言う。


「和香よ、そなたもネットなりなんなりで少し現世のことを学ぶが良い。いくら何でも人の世のことを知らなさすぎるぞ?」


「…ほんまやね、直ぐに掛かるは。それで今回だけ教えてくれる祐二君?」


「えっとですね、人間は色々な仕事をさせる機械仕掛けを月みたいな感じで空高くに上げて地球の周りを周回させてるんです」


「おやそんなことさせとるんや…、って、居る居る、うじゃうじゃ居るやんか?」


和香様はもう人工衛星のことを検知したのか?あきれ顔をしている。


「けどまあ大体は小さいから、落ちてきたところで大したことあらへんな。そやけどそう言う訳いかんのもいくつかあるな、これは注意しとくは」


「後…」


「ま、未だ有るんかいな?」


「ロケットやミサイルって言って、花火みたいな仕掛けで飛ばして、地上の色々なところを攻撃するそう言う武器も有るんです。これももしかしたら制御を乗っ取られかねないかなって…」


「むう…」


「さすがにこれを何とかするだけ強力な分霊を四六時中貼り付けるのは些か問題じゃの?」


「これはもう雨子ちゃんにもう少し頑張って貰うしか無いね」


「むう、しかし小和香に貰った精は、葉子につけておこうと思って居る分霊を拵えると、もうさほどは残らんぞ?」


「そうなんや…」


 暫しの間和香様はあれやこれやと思い悩んでいた様子だったが、やがてぽんと手で膝を打つと言った。


「しゃあない、うちがやってしもうたことでも有るし、この際ちゃんとしとかんかったら寝覚めが悪い。雨子ちゃん、うちが今持っている精、半分分けとくからよろしゅうな?」


「待て待て待て待て、そなたのような大神の半分など多すぎる。せめて四分の一くらいにしておいてくれ」


「え~~~?そんなんでええの?うちは神社戻ったらいくらでも補充効くねんで?」


「それでもじゃ」


「む~~~、雨子ちゃんがそうゆうんやったらしゃあないな」


何とか納得したのか和香様はならばと胸の内から光の塊を取り出すと、雨子様に引き渡した。


「むう、これは結構な量じゃの?こんな量を渡してきて問題ないのかえ?」


「そうやなあ、拝んでくれた人にお返しする幸運の総量が少しばかり目減りするかなあ?でもその分丁寧に願い事を聞くようにして、より適格な幸を授けるようにするわ」


「それで思い出した、人の雑念なぞを消す神札やお守りについてなのじゃが、昨今上手く消し切れて居らぬことが多いようじゃ。そなた今少し良く調べて今のものに見合うた形にする必要があるぞえ?」


「あ、なんや小和香もそんなことゆうとったは。うん了解や」


「ならば我はこの家を中心にして薄い結界でも張るとしようかの?」


「結界ですか?」


僕が問うと雨子様はおもむろに頷いた。


「そうじゃ、ここを中心に半径、そうじゃのう…飛翔物の最高速度がおよそマッハ二十くらいまで考えるとなると…余裕を見て五十㎞くらいに想定しておくか」


そう言いながら雨子様がぽんと手を打つと、その掌の間から虹色をした球状のものが生じ、頭上に向かって移動して天井を抜けていった。


「よしこれでいいじゃろう」


一体何をしたのか興味があった僕は質問したい気持ちを抑えきれなかった。


「それで雨子様は何をなさったのですか?」


雨子様は僕がそうやって問うたこと、それ自体が嬉しかったのかにこにこしながら説明してくれた。


「この家を中心に半径五十㎞の薄い結界を設けて、おかしな動きをする飛翔体等を検知するようにした。万が一検知した場合は、一端その飛翔体周囲の空間の位相を変化させ、精査をかける。それで問題なければそのまま元に戻し、問題があった場合は破壊じゃな」


「それで上げた精でどれくらい持ちそうなん?」


「そうじゃな、結界自体は微弱なものじゃから、何十年でも持つと思われるぞ?何か異常があった場合は、そうじゃの、五十件くらいまでなら対応可能じゃな」


「やれやれこれで一安心やね」


そう言うと和香様はほっと胸を撫で下ろした。



和香様も雨子様も大忙しになって来ているなあ

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