「次郎太と笹姫」
お待たせしました
今日のはとんでもなく短いです(^^ゞ
そこまで喋ると次郎太は、当時のことを思い出そうとしているのか、暫し黙りこくるのだった。そしてゆっくりと喋り始める。
「そこでおえは、巫女の行く先を教えてくれた村人の案内で、間を置くこと無くその地へ向かうことにしました。しかし巫女は既に治療を終えていたらしく、帰路の途上で行き会うたのです。そしておえは出会った瞬間に知ったのであります」
「ほう、何をなのじゃ?」
「はい、かの巫女もまた竜神であると…」
それを聞いた雨子様、ちょっと驚いた様に目を丸くした。
「はて、付喪神共ならともかく竜神の様に神化したものに、かくも偶然に出会えるものかの?余りそう言うことは信じておらぬのじゃが、運命の様なものを感じてしまうの」
「はい、今をして思えばそう感じても不思議では御座いませんね、しかしその時のおえは、なんて言うかもう呆気に取られていたというか…。多分ぽかんと口を開けて、阿呆うな顔をしていたのだと思います」
そう言う次郎太に、おかしそうに雨子様が尋ねる。
「何故にそう思うのじゃ?」
「それがですね…」
そこまで言うと言い淀んでしまう次郎太。
そしてそこから先さっぱり言葉を発しようとしないので、業を煮やした雨子様、思わず急かすのだった。
「早う言わぬか?」
尤もそうやって急かす雨子様では有ったが、別に怒っている訳では無い。
祐二の見るに、この先の話の展開を予想して、それでわくわくしている、そんな表情なのだった。
「はぁ…、それがその…。盛大に笑い転げていたので御座います」
「笑い転げていたぁ?」
思わずそう声を上げてくすくすと笑う雨子様。
その雨子様の脇腹を突きながら諫める祐二。
「そんなに笑われたら話せなくなるじゃない」
だが次郎太は祐二に感謝しつつも言うのだった。
「良いのです祐二さん、実際おえは巫女に、それこそ気持ちいいくらいに大笑いされていたのですから」
思わず「でも」と言いかけた祐二だったのだが、黙って首を横に振る雨子様のことを見て口を噤むのだった。
「おえはその巫女が笑い終えるまで待ちました。そしたら巫女は自分の名を名乗ってくれました。因みに巫女の名は、笹姫というのでした」
「笹姫かや、可愛らしい名前じゃの?」
そう言う雨子様の言葉に、返す次郎太の声はどことなくでは有るが嬉しそうだった。
「はい、仰るとおり笹姫は可愛い女性でした」
そこまで話すと次郎太は小さく溜息をつくのだった。
その後物語は次郎太の口を通じて、細かく丁寧に披露されていくのだった。
「笹姫と出会ったおえは…」
そう語り出した次郎太の言葉により、ここから先、笹姫との出会いの物語が紡がれていくのだった。
どうにも話のきりを考えたら短くなってしまいました
申し訳ありません
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そしてそれらをきっかけに少しでも多くの方に物語りの存在を知って頂き
楽しんでもらえたらなと思っております
そう願っています^^




