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天露の神  作者: ライトさん
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神様の話

大変遅くなりました

内容が少し七面倒臭い内容になっていますが、大切なことなのでご理解下さいませ


 食事の後、僕達は家を出て学校へと向かう。

その途次、僕は雨子様から先程の話しの続きを聞いた。


「それで雨子さん、存在理由の話しなんだけれど…」


 僕がそう言うと、雨子様はちらりと僕のことを見た後、前を向いたまま話し始めた。


「そも我らが今の様な…と言うても分からぬか…純粋知性体として本来の肉体を捨てたのは祐二らの時間尺度で言うと、今から凡そ二千万年ほど前と言う事になるらしい」


「らしい?」


 様々な記憶、記録に長けている雨子様から、よもやらしいと言われるとは、少し驚いた僕は思わず聞き返してしまった。


「うむ、そのことについてはおいおい、知らしめていくつもりじゃからまあ暫し聞くが良い」


 僕に否やは無いので素直に頷いて見せた。


「そうやって純粋知性体になる前の我らは、現在の其方ら人類と同じように、多くの個体に分かれて居った。じゃがそこから純粋知性体へと変化する際に、それぞれが重複し合う部分を取捨選択し、やがて概ね十三の集合知に分かれる事になったらしい」


「それって何千何万、もしかすると何十億もの個々の知性体が寄り集まって、それぞれ十三の純粋知性集合体に分かれたって言う事で良いのかな?」


「まあ概ねそう言う事じゃな」


 そう話しながら歩いていると、前方で七瀨が手を振っているのに出逢った。


「おはよう!」


「「おはよう」なのじゃ」


 それぞれに挨拶を交わしあう中、七瀨が雨子様の顔を覗き込む。


「どうしたの雨子さん、そんなにしかめっ面して…」


 雨子様はその言葉に苦笑しながら、思わず眉間を揉んでいた。


「いつの間にやらその様な顔をして居ったかや?」


 そんな雨子様に、くすくすと笑い声を上げながら七瀨が言う。


「そうだよ~~、何で朝からそんな顔をしているの?」


 そう問われた雨子様は、ちらりと僕の顔を見たかと思ったら、説明し始めた。


「何、祐二に我ら神の由来の様なものを説明して居ったのじゃ…」


 驚いた様な顔をする七瀨、その後恐る恐るといった感じで聞いてくる。


「ねえねえ、それって私が聞いてもいい話なの?」

 

 そう問われた雨子様は、束の間鳩が豆鉄砲を喰らった様な顔をしていたが、直ぐに笑いながら言うのだった。


「くふふ、七瀨は我の恩人じゃ、何を隠す事が有ろうかや」


 恩人とまで言われた七瀬はもの凄く嬉しそうな顔をしながら、雨子様の言葉に耳を傾け始めるのだった。


「それでじゃ、十三の知性体に分かれたものの、その頃の我らは通常のエネルギー、つまり電気や熱エネルギーに頼って居ったため、どうにも取り回しが悪く、供給に不安を抱えて居ったのじゃ。ところがその問題を見事解決してくれたものが現れた」


 そう言う雨子様に僕は、と有ることを思い起こしながら言う。


「ねえ、そう言えば宝珠を作ったのは爺様だって言っていなかったっけ?」


 すると雨子様は、おや?と言った表情を一瞬したかと思うと、嬉しそうに笑みを浮かべた。


「うむ、以前した説明を憶えて居てくれたのじゃな?祐二の言うとおりじゃ、宝珠を作ったのは正に爺様じゃ」


「でもちょっと待って、確か沢山の知性体が集合して、十三の知性体に成ったって言っていたよね?」


「そうじゃ、実を言うとな、嘗ての我らの種族の内、尤も知能が高く、技術に優れ、深い思索能力を持った者達が集まってできた知性体、それらを全て内包するのがあの爺様なのじゃ」


 驚いた僕は上ずった声で聞いた。


「ちょっと待って、爺様って集合知なの?」


 驚き慌てる僕のことを面白そうに見ながら雨子様は語を継いだ。


「そうじゃ、我や和香は集合した知性体を今一度ばらした存在であるが、爺様は未だ一つの個として存在して居る知性体なのじゃ」


 と、僕達がそんな話をしていたら、口を尖らせた七瀬が言葉を挟んできた。


「ねえねえ、さっきから聞いていたら、一体何なのよ?その集合知とか知性体とかって?」


 そう言い終えたと思ったらぶーぶー言っている、何が何やら分からんと大剥おおむくれなのだ。


「いやそうは言われても七瀬、雨子様の生まれの説明って言うか、いくら何でもこれ以上噛み砕いて説明、出来る?」


 後半そのまま雨子様に丸投げしたら、吹き出しながら笑っていた。


 だが結局それで良かったのかも知れない。残念ながら僕達は既に学校に着いてしまい、それ以上詳しい話をすることが出来なくなってしまったからだ。


「祐二よ、残りは家に戻ってから説明するが、良いかや?」


 これはもう、うんと言うより他は無いだろう。と言うことで苦笑しながら頷いてみせると、にっこりと笑みを浮かべた雨子様、


「おはようなのじゃ」


 と言いながら教室の中へと入っていくのだった。

その様子が最前と違って、随分元気になっているのを見た僕は、ほっと胸を撫で下ろしてしまうのだった。


いいね大歓迎!


この下にある☆による評価も一杯下さいませ

ブックマークもどうかよろしくお願いします

そしてそれらをきっかけに少しでも多くの方に物語りの存在を知って頂き

楽しんでもらえたらなと思っております


そう願っています^^

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