「初登校一」
すいません、なかなか上手く文章がまとまらず、書いたり消したりを何度も繰り返す内に
時間だけがどんどん過ぎて言ってしまう結果に。
しかも書いていると割と長くなりそう?なので今回分は短くなるとは思いつつ
切りの良いところまでとしました
長かった夏もついに終わりの時を迎え、と書くとさも一気に涼しくなったかの様な印象を受けるが、とんでもない。
まだまだ耐えがたいほどの残暑が続く中、子供達には新学期という新たな時が始まっていた。
暑い暑いと互いに文句を言い合いながら、高校へと出かけて行く祐二と雨子様を、玄関で見送っていた節子は、今度は令子に向かう。
「もう一度だけ聞いて置くけれども、令子ちゃんがこれから行くのは、小学校の四年生って言うことで良いのよね?」
初登校となる令子は、少し硬い表情をしながらその問いに答えてみせる。
「ええ、だって…」
そう言うと令子は自分の腕に目を向ける。余分な脂肪が一切無い、未だ男の物とも、女の物とも区別が付かない様な、そんな腕なのだった。
「こんな成りでしょう?それ位が丁度良いと思うのよ」
そう言うと令子は節子の前でくるりと回ってみせる。だが身体はそうでも、ちゃんと女の子として着飾れば、見紛うこと無き女の子だった。回る動作でふわりと膨らんだワンピースが、実に良く今の令子に似合っているのだった。
加えて言うなら今の身分は、和香様達の手配を通じて、既に裏で設定してしまっていることなので、今更、やーめたと言う訳にも行かないのだ。
だがそれでも、今や我が子として心配する節子としては、どうしても最後のだめ押しに聞いてしまうのだった。
そんな節子の思いが理解出来る令子は、その元に向かったかと思うと、その身をぎゅうっと抱きしめながら言う。
「ありがとう、節子さん」
すると節子は、そんな令子のことをぎゅうっと一端は抱きしめるのだが、直ぐに押し返し、そして言う。
「駄目よ、令子ちゃん。やり直し」
一体何をと目をぱちくりとさせる令子。だが直ぐにその真意を知ってやり直す。
「ありがとう、お母さん」
それを見た節子は、嬉しそうにうふふと笑う。
「やっぱり令子ちゃんは大人よねえ」
だがそう言った後、真面目な顔に戻って静かに言うのだった。
「そんな令子ちゃんのことだから、本当なら何も心配は要らない、と思うところなのよね?でも大人で有るからこそ、どうかなって思うところも有る訳で…」
そうやってまるで独り言の様に言う節子に
「そんなに頼りなさげですか?」
と、令子が少し口を尖らせて言うと、いいえと頭を振りながら節子は言う。
「そうでは無いの、頼りがいがあるからこそなのよ。精神年齢で言うと。周りは令子ちゃんよりずっと年下の子供達じゃ無い。そんな彼らの持つ歪みを、皆令子ちゃんが引き受けてしまいそうで、それが心配なのよ。あなた自身も子供として彼らの中に居るんだから、何でも引き受けようとしないで、ちゃんと相手にも引き受けさせるのよ?」
令子は、自分では全く考え及ばない様な部分で、節子が心配していて呉れたことに驚き、感心するのだった。
令子はそうやって色々なことを考えながら、しっかりと自分のことを見てくれる節子に、心から感謝の思いが込み上がるのだった。
「ともあれあんまり取り越し苦労をしても仕方無いわね?一応そう言うことも頭に入れておいた上で、気軽に楽しんでらっしゃいな」
そう言うと節子は、靴を履いた令子の背中をぽんと叩き、玄関の外へと押し出すのだった。
一応、転校扱いになっているので、通う小学校にまでは節子も一緒に行き、先生達への面通しも行う。別に学校に行くくらい、一人でもとも思った令子なのだが、そこを節子が譲ることは無かったのだった。
吉村家から令子の通うことになる小学校まで、大人の足でなら十分と掛からない。住宅街の中の閑静な通学路で、さほど交通量も多いところでは無かったので、安心と言えば安心だった。
学校の正面門まで行くと、中の校舎が見えるのだが、何でも昭和初期から連綿と続く学校とのことで、少しばかり校舎が古ぼけて見える。
だが校内より、生徒達の明るい声が漏れ聞こえてきているあたり、なかなか雰囲気は良さそうな学校だった。
校舎の中に入ると、令子は持参した上履きに、節子は来客用のスリッパに履き替え、職員室へと向かうのだった。
些かレトロな感じのする職員室に行くと、そこでは既に担任と校長先生が待ち構えているのだった。
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