「途次二」
お待たせしました。
昨日体調不良で短文だったので、今日はその分も長文にするぞと、Monスター片手に
頑張り始めたのですが、む~~~~。内容的に見るとどうしてもここ出来るのが正しい?
と言うことで今日もまた短文です
でも思いはしっかり込めているかと・・・
駅で切符を買う時に、子供一枚と押している令子。
小声で「不本意だわ」等とぼやいているのが聞こえてきて、くすりと笑ってしまう小和香様。
そう言う小和香様は大人一枚なのだった。
「今度令子さんと街に出る時は、私も令子さんと同じくらいの子供になろうかしら?」
そんなことを小さな声で言っているのを聞きつけた令子、驚いた顔をしながら尋ねる。
「え?小和香さん、そんなことが出来るの?」
対して小和香様は令子だけに聞こえる様な小さな声で言う。
「ええ、神化した後でなら可能です。でも…」
「でもなあに?」
ちょこっと口をへの字に曲げながら言う小和香様。
「かなうならあんまり神化は使いたくないかしら?」
未だ神化について詳しいことが分かっていない令子が聞く。
「それはまたどうしてなの?」
最初に令子が改札に切符を通し、次に小和香様が通す。
「こうやって人の身でいると、経験したことそれぞれに、色々な形で色づけが為されるんです。そしてそれがとっても新鮮で楽しく感じるのですが、神化して一旦肉体を消してしまうと、そうやって得た印象が皆薄らいでしまうんです」
「成る程、そうなんだ。神様なんだから一旦その部分の記憶を無くして、また経験してみるとかって言う訳には行かないのでしょうね…」
その返事を返す小和香様の言葉が、思いの外強くなっているのに驚く令子。
「嫌です、絶対嫌。その記憶だけ消しているつもりでも、それに付随している色々なことにも影響があって、同じことを経験したとしても同じには成らないのですもの」
そう言うと小和香様は少し目に涙を浮かべている。
それを見た令子は小和香様の手を取ると、ベンチの方に誘導して一緒に座る。
「祐二君とのこと、相当堪えているのね…」
そう言う令子に、驚いて目を見開く小和香様。
「どうしてそれを?」
例の温泉での夜、皆で恋の話などに盛り上がったものの、確か誰も小和香様の思いの部分に言及したものは居なかったはずなのだ。
「あのね、私の一番の親友のことなのよ?様子がおかしかったのは直ぐ分かったし、あなたが誰を好いているかなんて、見ていたらバレバレなんですもの。だからあの夜…、どの夜かだなんて言わなくても分かるわよね?」
「はい…」
「あの夜皆が寝静まった後に、節子さんのところに行って聞いたのよ。最初の内はさすがに節子さんも、直ぐには話してくれなかったのだけれど、私の親友のことなのと言って、泣いて見せたら話してくれたわ」
「令子さん…」
そう言う小和香様の目の前に、椅子を立った令子がぐっと迫る。
「ねえ小和香、私達親友でしょう?あなたがさんづけしてくるから、私もさん付けで呼んでいたけれども、もう良い加減さんなんて付けなくて良いのじゃない?」
そう言うと少し泣きそうな顔になっている令子に、小和香様はごくりとつばを飲み込むのだった。
「令子さん…」
そう言いかけて令子に睨まれた小和香様は慌てて言い直した。
「令子…」
「うん、よろしい」
そう言うと令子は腰に手を当て反っくり返り、身体に似合わずもの凄く偉そうにしている。
それを見た小和香様が苦笑しながら言う。
「令子…何だかとっても偉そうに見える」
それを聞いた令子は、小和香様の耳元にそっと口を寄せると言う。
「神様よりも偉い?」
その言葉を聞いた小和香様は、びっくり眼になった後、ぎゅうっと令子の首っ玉を抱きしめるのだった。
「ん…もしかすると偉いかも…」
「やっりぃ~」
そう言うと片手をグーにして天に突き上げる令子。
「それで神様よりも偉くなってどうするんです?」
戯けて小和香様が聞くと令子は笑いながら言うのだった。
「神様の友達と映画を見に行くのよ!」
本日もお読み下さりまして本当にありがとうございます。
毎日、無い脳みそを振り絞って必死になって物語りを書くというか、
ちょこっと失礼して雨子様達の世界を紹介させて頂いている筆者なのですが、
世間様で言う五月の連休、ここでは何かと些事が重なるものですから
思い切って連休期間中はお休みさせて頂くことにいたします
連休明けには頑張ってまた更新始めますので、どうかその時はまた忘れずにご愛顧の程
伏してよろしくお願い致します
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この下にある☆による評価も一杯下さいませ
ブックマークもどうかよろしくお願いします
そしてそれらをきっかけに少しでも多くの方に物語りの存在を知って頂き
楽しんでもらえたらなと思っております
そう願っています^^




