七瀬家の顛末
今日はとても短いです、きりが良いなと思っていたことと、ちとバテました。
「雨子様の肩揉み」雨子様の年齢についての齟齬があったので改変しました
さてそんな我が家に午後を少し回った頃、訪れてきたのは七瀬だった。
勝手知ったる何とかやらで、玄関を開けてさっさとリビングに入ってくると、両親への挨拶を軽く済ませ、テレビの前でゲームに興じていた僕と雨子様のところへとやってきた。
「ちわ~」
「ちわって…どうした?なんかしょぼくれてるな」
「母さんが予定通り帰ってきたんだけれど、皆で頑張って片付けたじゃない?でも矢っ張り元通りって言うわけには行かないでしょう?なんか違和感感じたらしくって、どうしたんだってとっちめられたのよ」
「とっちめられたってまた…。それで結局どうなったんだ?」
「祐二がおしまいに掃除してくれたじゃない?」
「ああ、物はついでというか、結構埃っぽかったからな」
「おかげさまで助かったよぅ。家の中掃除するのに動かしたんだって言ったら何とか納得してくれて。こんなに綺麗に出来るんだったらこれからもよろしくだって」
「って、もしかしてお前普段は掃除していないのか?」
「だって、私が掃除すると、する前よりなんだか散らかっていくような気がするんだもの」
「はぁ」
なんだか天を仰ぎ見たくなってしまった。
「七瀬、お前これから掃除の特訓な?」
「特訓?掃除の?冗談よしてよ。絶対やだからね」
これは僕では埒があかないと思ったので援軍を求めることにした。
「母さん何とか言ってくれよ、こいつ掃除もまともに出来ないって言うんだぜ?」
だが母から帰ってきた返事は僕の予想を遙かに超える物だった。
「ならあなたがやってあげれば良いじゃない?」
「???どうしてそうなるの?」
「だってどんなことでも得手不得手があるのは仕方ないでしょう?」
「だからといって掃除を不得手なまましておいて良いのかよ?」
「でもあなた普段からとてもお掃除上手じゃない?」
「って、七瀬ん家の掃除までするの?」
「あゆみちゃん家になるかどうかは知らないけれど、あなたたち一緒になるんだったらあなたが掃除してあげれば良いじゃない?」
「おばさま…」
七瀬はそう一言言うと、下を向いて真っ赤になっている。
「うぐぅ?」
と息が詰まっているのは僕。いつの間にそんなことになっているんだ?自問自答したが僕の中に答えはない。
ふと見ると自機を全滅させてしまった雨子様がゲームパッドを片手に、何だかにこにこしながらこちらを見ている。
「まあ、仲が良いとは思って居ったがの、そうか、番いになる約束を交わして居ったか…」
「交わしてない交わしてない」
僕はぶんぶん音がしそうな激しく首を横に振りながら弁明した。七瀬は相変わらず下を向いたままだ。
「じゃが祐二よ?お前がそんなにきっぱり否定しては七瀬が、もがぁ」
なおも突っ込みを入れようとしていた雨子様の口元を七瀬が必死になって押さえている。
「雨子さん、もう良いから、もう良いから!」
喋っている最中に急に口を塞がれた雨子様は目を白黒させている。そして七瀬も僕も赤くなったり慌てたり、僕の母はそんな僕達皆を生暖かい目で見守っていた。
その母を父がそっと肘でつつく。
「母さん、それ位にしておいてやれよ?」
「ええ確かに…」
そう言う母は苦笑しながらその場を去り、皆の茶を入れに行った。
その後ろ姿を父がやれやれと言った面持ちで見送る。何だかよく見た光景のように思ったのは僕の気のせいだろうか?
明日こそはもちっと長いの書かないとね(^^ゞ




