そこそこの底
今回も読んで頂きありがとうございます!
インスタントフィクションです。
なぜみんな高い所へ行くのだろう。高みを目指すのだろう。
登って、上って、昇って。疲れていく。
水が欲しいの?上から流れてくるから下にいればいいよ。
木の実も下に落ちるし、棚から餅だって落ちてくる。
苦しい、辛いって言うね。そりゃそうさ。そこは酸素が薄いんだから。
多くの人が死んでるね。落ちてさ。でも、下に来るのはいい事さ。辛くない。
ガミガミ、イライラ、グズグズ、クヨクヨ。
渦巻いてるそこの色は、汚い色のマーブリング。
そりゃ、ここまで色んな所を通った水は汚れてしまうさ。
でも、その水は僕らの物になるし、飲めるくらいにする事は出来る。
そこそこの底。
煙はあがっていく。それを見つめる。雲に重なり見えなくなる。
雨が降る。煙は消える。また、水が汚れる。さあ、おいでよ。
読んで頂きありがとうございました!
また次の作品も宜しくお願いします!