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私、崩壊  作者: 清水幸
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エピローグⅡ(その3)


 光夜と流星の関係がギクシャクしたままでも、和泉はそれなりに高校生活をエンジョイしてるようだ。新年になり、次女の咲彩が受験生で姉と同じ高校を受験すると言い張り、流星の悩みの種がまた一つ増えたところ。

 元日とその翌日は流星のご両親の家に挨拶に行ったり、桜子夫妻や椿姫夫妻と会食したりで忙しかった。

 桜子は茶飲み友達みたいなもんだよと言いながら18歳年上の加藤部長と結婚して、結婚した翌年には子どもが生まれていた。お茶を飲んでただけではなかったんだなと思わず苦笑いした。三女の仁美を産んだとき私は41歳だったが、桜子がその子を産んだとき42歳。光夜とつきあいだした頃、自分が子どもを産めるギリギリの年齢だと焦りまくっていたが、実際はそれほどギリギリではなかったのかもしれない。それにしてもその子が20歳になるとき加藤部長は80歳か。現在75歳。いつまでも元気に長生きしてほしいものだ。

 石橋進と結婚した椿姫は二人の子どもを産んだ。一人目はすぐにできたけど、二人目はなかなかできなくてやはり42歳のときに出産。姉妹三人とも高齢出産を経験。当分育児に追われるから、三人とも老後は当分先だねえと桜子と笑いあったのを覚えている。

 一月三日、みんなで初詣に行きたいと和泉が言い出したから家族五人で行くことにした。なぜか行きたい神社は近所の神社ではなく、隣町の神社だという。

 「あんまり知られてないけどすごいパワースポットなんだって。これから受験の咲彩のためにも行くしかないでしょう!」

 そう言われたら行くしかない。私たちは急いで身支度して車に乗り込み、流星の運転で隣町へ出発した。

 天気は快晴。正月にしては気温も高め。今年もいい年になるんじゃないかという予感が、神社にお参りする前から胸のうちで強まっていく。

 流星と結婚して今年で17年目。別に区切りの年というわけじゃないし、子どもの受験も今年で終わりというわけでもない。来年は三女の仁美の高校受験。その翌年は長女の和泉の大学受験。まさにエンドレス。子どもが独立するまで子育てに終わりはないんだなと改めて実感させられた。

 家庭内だけでなく仕事上の懸案もたくさんある。いろいろあるが、今年も目の前に現れるすべての壁を乗り越えていくだけだ。隣の運転席の流星といっしょに――

 「小百合さん、ずっとおれを見てるけどおれの顔に何かついてますか?」

 「そうじゃないよ。今年もよろしくお願いしますという気持ちだったんだ。正直私は神様じゃなくて君に頭を下げたい気分」

 「頭を下げなくていいし拍手もしなくていいです。おれはあなたの神様になりたいんじゃなくて、あなたの恋人でありたいんです」

 「恋人? 君は私の夫だからとっくに恋人以上の存在になってるよ」

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