勇者様、転生前の魔王との戦い
小説未経験の初心者です。
慣れない事もあり読みにくい所等あると思いますが、読んでいただいたら幸いです。
宜しくお願いします。
〜とある魔王城での戦い〜
魔王城では、勇者と魔王の戦いが終盤に近付いていた。
『よくここまで私を追い詰めた、流石だな勇者よ』
『それは嬉しい言葉だな、次で終わりにするぞ…魔王っ』
『そうだな、来い!勇者よ』
勇者と魔王の最後の力を振り絞った魔法が放たれた。
かれこれ何時間が経ったであろうか。
その戦いにも、遂に終わりが来た。
『ガッ…まさか人族に倒されるとは…』
『はぁ、はぁ、やっと…終わったのか…
敵じゃなければ、良いライバルになれたかもな、魔王』
『ライバルか…面白いことを言う人族もいるもんだな…この戦い楽しかったぞ…』
魔王は倒され消滅した。
勇者は、安心と疲れでその場に仰向けに倒れた。
『長かった…やっとこれで…勇者の役目も終わった…』
その時、暖かい光が勇者の体を包み、
何もない光の空間に変わった。
目の前には、女神マリアがいた。
『勇者よ、よくぞ魔王を倒しましたね。見事な戦いでした。』
勇者は、この時を待っていた。
魔王を倒した後、女神が現れ願いを叶えてくれると言うそうだ。
『ありがたきお言葉、女神マリア様』
『さて、勇者よ。この健闘を称え、そなたの願いを…』
『転生させてください』
食い気味で願いを言ってきた勇者に、少し驚いたマリア。
『ほぅ、転生ですか、そなたはそれでいいのですか?
これから何不自由ない富と名声があるのですよ。
それを捨ててまで転生を選ぶのですか?』
『はい、勇者として勤めるのはもう疲れました。
常に呼び出され訓練や魔物退治。
王には姫様と結婚を決められ周りを囲まれました。
全然自分の時間がないのです!!!!!
もっと私は自分の自由に好きなことができる時間が欲しいのです!!!!!それに…』
今までの生活を思い出し、自由のない生活を思い出し小刻みに震える勇者。
その様子を見てマリアは苦笑いをしながら、
『分かりました、もう良いです。
では、そなたの望む通り転生させてあげましょう』
『ありがとうございます!
それと転生に関してもう少しお力を貸して頂ければと…』
『ん?なんでしょう?遠慮なく言ってください。』
『その…次はなるべく楽に生きたいのです。
今まで血の滲む訓練をこの時のために耐えました、
ですので!今の知識とステータスを全て引き継いで欲しいのです!』
その素直なお願いに、なおも苦笑いのマリア。
『そんなことですか、良いですよ。
ただ、転生してしまうとレベルは1からになってしまうのと、特別なスキル…例えば…竜の加護とかは人が変わるの消えちゃいますよ?』
『ありがとうございます!
それだけしてもらえれば充分です!!!!!』
『ふふっ、素直なあなたが少し気に入りました。
おまけで出来る限りのことはしておきますね。』
『おまけとは?』
『それは、お、た、の、し、み、です。
では、勇者よ、次の人生に女神の祝福を!』
その言葉を境に、俺は意識を失った。