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「剥落」
剥落
剥落していく季節と剥落した壁の塗料
ミズカラということばのなかにカラ
すなどけいスタイルの詩のなかへ
わたくしぜんたいを籠めていく
だがそれは塗り込めていく事
糊塗していく事のシノニム
ともあれ殻をカラカラと
ひきずり歩く夕間暮れ
ガソリンを鯨飲する
そのような大道芸
愛着獲得行動の
こじれたすえ
愛を呉れと
むらさき
の影を
追う
影
慄き
とり肌
かみの毛
にまでたつ
ディストピア
コケティッシュ
その二語の行間に
性的なかおりを読む
風のひらめくまにまに
あたらしい眼を開く皮膚
皮膚科受診をかんがえざる
くゆりゆく煙めくるめく昨日
針をひろい燐寸箱ばこに収むる
それはま新しいひかりなのだけど
暗がりに収めてしまい日の目は無い
剥落していく時間と剥落した己の塗料




