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「血刀」
血刀
血が騒いでいる血が沸いていることば
わたくしは冬のなかではだかに成り
辞書からなるべく皮膚にちかい海
その雫をつまみあげて釘でとめ
また雫が流す血をとんとんと
騒がしたり沸かしたりする
血刀はうつくしく勃起し
海はちのうみだし沙漠
其のあかい沙漠へと
つまり君へ一太刀
あびせたら苺色
愛憐な返り血
ポップな雫
つまんで
海へと
キス
傷
スキ
蝶々の
翅は血液
君の白髪は
とてもあかい
時をゆきすぎて
わたくしも君も今
まっしろにくずれた
色が必要と正直に思う
肉体にリアリティが無い
リアリティが無い肉体の詩
わたくしは冬のなかではだか
書籍からなるべく皮膚にちかい
灰より空より肉よりも赤い海の雫
つまみあげて積みくずし積みくずす
血が騒いでいる血が沸いていることば




