69/246
「地球儀」
地球儀
くるしまぎれのからすがうたう
皮膚のあいだにある組織は冬
冬には紫陽花が咲かない為
自由落下する意識は剥製
それから地球儀を掴む
それから指の皺の形
わたくしの指紋や
顔に刻まれた眼
脣やそのほか
地球の細部
欠落して
皮と皮
骨と
骨
血と
血や魂
等はもう
数えきれぬ
頭髪のような
ものではないか
ではわたくしは唯
剥製の所在なさで唯
渡る橋も虹ももたず唯
ぬけがらをみつめている
冬には紫陽花が咲かない為
皮膚のあいだにある組織は冬
そのことばは意味をかいている




