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「塞」「砥石」
塞
塞だと思う例えば歯医者の入り口
そこで微笑む他人や餃子の小皿
辣油と酢醤油のそこにからむ
光線が潮の満ち引きを生起
させたり実際に月がユラ
ユラ満ち欠けすること
それが人体や細胞を
賦活させたりする
現象のさやかな
連鎖のあり様
それを塞と
ギリギリ
際の際
識る
了
。
砥石
生活をなしていく細々とした独楽
それは目には見えないがクルリ
クルリうつくしく咲いていて
わたくしを囲んでさとる様
ほとけの様ひかりの様に
嗚呼しかし話はここ迄
今きもちの森の奥で
象牙色のやいばが
揺らめいたから
セルシン一錠
風のたにの
ナウシカ
包丁と
砥石
了
。




