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「処女」「点」「境界」「蟻」
処女
はじめにただよう
ふんありした煙
ふんありと城
蛾のしろさ
芳紀十六
処女に
鉄扉
了
。
点
法蓮草をみどりに視る
月暈とともに湯掻く
毒蛾と胡椒と岩塩
たまゆらに鳴く
デストルドゥ
硝子のおと
世界の蓋
中の光
麻酔
薬
破瓜
駐車場
きつね火
包丁は呟く
月と心音の渦
きみは心綺楼と
脣はひとりでに点
を穿つピリオドの点
とにかくまぶしい夜風
了。
境界
さかいめを燃やす
とろかして肉を
消滅させた繭
音は止まず
境界自体
耳朶を
斬る
了
。
蟻
蟻が歩み
崩るる
地表
了
。




