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「匕首」「水音」「蛙」「麒麟」
匕首
色相をつらねうつくしい不安
それを構成してゆく行い唯
わたくしは厭世していて
かたわらに匕首がある
悪魔祓いはなんの為
憂虞とあまい眩暈
その為その為と
こころに棲む
へびが云う
のだから
擂り身
いま
了
。
水音
わたくしは純粋感情それが唯
欲しい女は純が良い純粋な
わたくしのための水音で
それにその水音には蓋
わたくしのみみの為
それだけにひかる
みやびなみだら
とがるまるみ
あさく深く
心血に似
揺れた
水音
了
。
蛙
蛙にくちづけ
御伽噺も朧
はりつめ
壊れた
キス
了
。
麒麟
麒麟がさとる
まぼろしの
内側には
だれも
居ぬ
了
。




