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「伊達眼鏡」「観覧車」「無重力」「カリウム」
伊達眼鏡
忍辱のおしえニコともせず
オアシスをニルヴァナを
鼓膜に流し漸く我あり
伊達眼鏡をくわえて
するどい木枯しに
褪せた身を埋む
単純な貨幣の
蜜のあじを
柔肌観音
として
得む
了
。
観覧車
不羈また無礙の観覧車を
流れ流れ粒のまにまに
幻想破片花吹雪とて
おぼろにみ遣れば
髪に指をとおす
その感覚も又
無我の宜さ
新樹の芽
ふゆに
視る
了
。
無重力
栞と珈琲それに靴下
それから月世界に
浮遊する脈絡の
不在は花吹雪
無重力杣道
狭い肉の
迷宮は
静か
了
。
カリウム
カリウムの浮動
ふゆの結晶が
鼻腔に汲む
明暗と鱗
肉の中
新雪
了
。




