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「雫」「造語」「腐心」「砂鉄」
雫
美的悪夢のはなひらく褥
毛穴から女陰から赤い
心臓をのぞいて捥ぐ
白いシィツの上へ
ふたつ並べ無我
どくどくと雫
美点を穢し
雨と注ぐ
夥しい
水玉
了
。
造語
傀儡啖いという造語を
書き連ねたレシィト
古い刺青にかさね
画鋲でとめれば
痛覚が新しい
うらがえし
の地図を
なして
咲く
了
。
腐心
拍動をかざる球形としてのわれ
以上でも以下でもなく同次元
胡桃と目脂をがらがらとぞ
引き摺り引き摺り泥炭の
まにまに腐心して朧
はなを喰らい吐く
吐瀉物のえがく
未来図に恍惚
ジュウサァ
であると
随喜を
刻む
。
砂鉄
ひきよせて
黒く染む
砂鉄の
開花
了
。




