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「魔都」「プレパラァト」「骰子」
魔都
灰被りのしじま漂うので
少年の靴下は蝕をもつ
人間の皮はかじかみ
塩漬けの地下室に
投げる感覚器官
が単純に魔都
うちけして
音もなく
波濤図
の下
光
の上
無彩色
にまぶれ
四十八景の
ごぞうろっぷ
開闢してゆく時
止揚しうるかぎり
臓器は聖女であるし
花園を吐瀉して曼陀羅
となる少年は靴下を脱ぐ
了。
プレパラァト
薔薇の球を止揚し
豹柄の月を皮に
プレパラァト
重ねがさね
液体窒素
疣贅を
灼く
了
。
骰子
朝の意識のまうえにニット帽
夜の意識のしたにニット帽
超スピィドで流るる水泡
どちらにせよ墓に飾る
うてなで有りうると
ぎんいろの暗渠に
布をかけて肉を
あわだたせる
渇望と解体
止揚した
素面の
骰子
了
。




