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構造の肉団子
眠れない張り詰めた夜が錠剤の様に並び
レンタルDVDコーナーで血糊また裸婦
其れらを欣求している徘徊者ゾンビの己
筋肉と骨のあいだにへなへなと鳴る涙滴
邪眼をひらいた樹氷をコーヒーポットに
ネオンライトと共に点滴静脈注射すなる
はりさけた水干を纏うアニマムンディ朧
ひらたくいえば死の延長である給与明細
みどりいろの太陽がさかだちをし舐め傷
バッファローの臓物をくすねとる人差指
芥川龍之介の書籍ばかりの初夏にリボン
しのびあしの厄ネタを子宮に微笑む弥勒
安息日だらけの疑義は大量自殺の熾天使
よろこばしく香ばしく降板していく義眼
ナルキッソスの入り浸る白血球発見の暁
明滅していく思惟は川のやさしさで牙を
わたくしに剥いてくるけれど大丈夫だと
君はわたくしに構造の肉団子をくれる愛
LOVE
其れだけのはなし




