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「木霊」「蛮神」「微笑」
木霊
透明な啄木鳥の脣
棺を築く淡い釘
無我は束のま
わたくしは
鋲螺さえ
光の鍵
さえ
朧
さえ
鍵の光
さえ木霊
天使の薄明
さえ失して泪
ロジックボムを
格納して孵卵して
了。
蛮神
くゆりゆく煙めくるめく
肉体は最小の棺として
わたくしを抱擁する
濡れた脣は呪詛を
蛮神の薔薇の様
赤い脣こそが
最大の墓標
孤独も朧
混沌と
明鏡
了
。
微笑
挫滅してゆく皮膚の
うちがわそとがわ
皮膚じたいすら
無我を包めず
あめつちを
棺として
傍らに
微笑
又
微笑
傍らに
君を晒す
生首に似た
十二月の冷気
四面瓶詰硝子漬
透きとおりゆく時
サロメとヨハネ咲う
了。




