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「指環」
指環
ゆびさきを切りおとす昼と闇の境界
郵便うけに紙のたばと円環が巻き
わたくしを谷へ突き落としたよ
君が作ったおにぎりには確か
心臓とひかり其れがあった
わたくしは美味しく食べ
写真にえがおの結晶を
残したよ写真は何処
時間は物と一緒に
老いていくんだ
それに失せる
カメラの死
それから
君の死
君は
光
君は
真夜中
境界の先
泉があるよ
わたくしは唯
おにぎりを思う
あたたかく輝やく
光や心臓のおにぎり
ふるいたてたゆびは唯
切りおとされてしまった
切れてしまうと指環はもう
嵌めることが不可能だからね
指環は土に埋めたら芽が出るよ
郵便うけに光のたばと心臓が巻き
ゆびさきを切りおとす生と死の境界




