101/246
「過善症」
過善症
できればおこらずにくらしたいよ
絵の中の劇場にただひとり桟敷
独り言でお茶をにごしユラリ
ユラリ鸚鵡貝が水をにごす
細密画に似たみずけむり
細密画の夜とブルゾン
果然と過善を払う様
わたくしは絵の中
かなしみの欠伸
ぽかりとうつ
君は細密画
過善症の
罹患者
その
月
その
真夜中
過善症の
わたくしの
劇場においで
舞台はからっぽ
もぬけのからだよ
鸚鵡貝が鸚鵡がえし
わたくしのこころの姿
不思議な生きものに似て
みずけむりを吐いているよ
それだけの夜ただひとりの夜
ありがとうさようならをいうよ
できればおこらずにくらしたいよ




