でもぶっちゃけ感だと思う
「ここが異世界っすか?」
「一応な、でもあんまり違いはないかもな、しかもここは倉庫だし」
気が付くと、辺りには大きな樽や木箱が見上げる程に積みあがっていた。
少し厚めの服装をしていたおかげで、ひんやりした倉庫でも平気だ、サヨはそもそも重装甲だから問題ないだろう。
「そういえばこの世界に食料を持ってくるんですよね?」
「あぁ、この辺の樽がそうだな」
目の前に並んでいる樽はどうやら持ってきた物らしい。
「おーい、持ってきたぞぉ」
先輩?が天井に向かって叫ぶとどこからから扉が開く音がして、受取人と思われる人がやってきた。
「いやーいつもありがとうございます」
優しそうな顔をしたイケメンが現れた。
「はいこれ、今回の分、あとこれは新入りね、もしかしたらたまに来るかもな」
「そうなんですね、今後からよろしくお願いね…はい、確かに調味料を確認しました、代金はこちらで、確認お願いしますね」
先輩が用紙を受け取り、なぞって一つづつ確認していく。
「こちらも確認した、では我々はこれで」
「あ、一つ頼まれて欲しい事があるんですが、掃除を…ね」
もう終わるのかと拍子抜けしていたが、まだ仕事があったようだ。
「では別料金だ、金額は状況によりけりだ」
「はい、お願いします、僕は戦闘タイプではないので」
「よくいうぜ」
先輩がやれやれと大げさにした後、津波に飲まれる感覚がし、思わず尻餅をついてしまった。
「あ、すまん言ってなかったな」
のんきな先輩の声で津波の錯覚が先輩が引き起こした物だと判明した、横をみるとサヨは平然としていた、ちょっと悔しい。
「ほれ、2人いたぞ」
先輩がいつの間にか2人ほどの大男を抱えていた。
「あぁ、この2人ですか、いい時に忍び込んでくれたものです、ただの泥棒ではなかったので報酬はいっぱい上乗せしておきますね」
真っ黒な笑顔が怖い、サヨも動揺していた。
「あ、お礼がしたいので食べていきません、サービスしますよ」
自分はなにもしていないが、自分たちもいただけるようだ。
泥棒の処理も終ったようで、店の席につく、めったに使わないようで手書きの日本語のメニュー表が出された、読めることは読めるのだが素材に使っているであろう素材の名前が大きく主張していてどんな料理か想像できない。
「…聞いたことがない料理ばっかりですね」
「そりゃあここの世界の料理だからな、意味不明なのは当たり前だ」
先輩は懐からサイコロを取り出し、転がしてメニューを決めていく、自分たちもよくわからないので同じメニューにすることにした。
来たのは蒸し料理がほとんどで、素材の味が全面に出ていたような料理だった。
異世界に転生して調味料とかを入手できずに苦戦していたところを助けてもらっている感じです。