属性持ちの個性
「さて、次の仕事の内容ですが…」
サヨのアップデートがあったので仕様の把握のために数日開けた後に仕事を始める。
「今回の仕事は転生者の移送です」
「移送ですか?」
「はい、現在転生者がいる国では転生者の人権が諸事情で保障されていない状態となっております、ですのでその転生者を辛うじて人権が保障されている国まで移送してほしいのです」
「それって転移系の魔法とかが使える人がすれば良いのではないですか?」
「転移系ってほとんどが行った所にある場所じゃないと使えなかったり、世界を跨ぐのもあってどんな不具合がある可能性があるのでそういった人はあえて外しているんですよ」
「あぁなるほど…」
「それに今のサヨちゃんの戦力なら問題ないと判断しているのでお願いしますね、あと長旅になる可能性があるので食料はこちらで用意しておきました」
逸らした視線に先を見てみると登山用のリュックが2つ置かれていた。
「それ結構高い奴なんですよ、防弾防刃機能があってしかも軽い、見た目に反して物が多く入るので限界まで詰め込んだ場合は見た目が全然変わるほどなんですよ、しかも丈夫に作られているので多少無茶して詰め込んでも大丈夫なんです!」
なんだか通販を見ている気分になった。
「そんなすごい物をいいんですか?」
とりあえず乗ってみる。
「どうせ支給品ですし着服しなければどうなってもいいんですよねー」
急にテンションを下げないで欲しい、乗ったこっちが悪いみたいな感じになってしまう。
「とにかくいってらっしゃい、地図とかも入れたのでお願いしますね」
何も言い返す事無く周囲が森になっていた。
足元をみると先ほどのリュックが置いてあった、拾い上げてみると結構重く背負うのに難儀しそうだ、サヨは楽々と背負っていた。
リュックの中にあった地図とメモ用紙を確認すると行くべき方向などがおおざっぱに記されていた。
「とりあえず行くか」
「うん」
数分ほど歩くと転生者がいると思われる街の外壁が見えてきた。
「やっぱりどこも壁に囲われているねー」
魔法があるファンタジーな世界では大型の魔物が存在しているのでそれに合わせて高い壁が存在し、壁が高ければ高いほどその世界は物騒だと以前に教わった記憶がある。
そしてこういったところでは必ず身分証明(ギルドカードと呼ばれる事が多い)などが必要などがあるが、何かないかリュックを漁ってみると免許証みたいな物が入っていた、恐らくこれがあれば問題なく通ることができるだろう。
「はぁ、シルバーかよ…、通ってよし」
証明書のような物を見せるとあからさまに溜息をつかれ面倒そうに通された、何が良くなかったか分からないがどうせ少ししたらこの世界を去るのだから問題ない。
移送対象の人物の写真が同封されていたので探すのは安易だろう。




