おや、サヨの様子が…
「サヨ…、大丈夫?」
「ちょっとキツイ…かも」
サヨの顔色も悪くなる一方でさすがに継続はできないと判断して一度撤退して体勢を立て直す。
外に出るとサヨの顔色が幾分マシになり呼吸も安定する。
「いつもなら淡々としているのにどうした?」
「私…、前にココにいた…」
「え…、どゆこと?」
サヨはあまり言いたくないのか口が上手く開かない様子だ。
「…言いたくないのならいいや」
サヨは驚いたように自分も見上げた何とか言おうとしていたのに別に良いと言われ複雑な顔をしていた。
「いいの?」
「別に無理にしてまで聞きたいとは思わないかな、そりゃあ気になるけどね、話したい時に話してよ」
「…う、うん」
サヨが顔をそらして唇を尖らせる、なんで拗ねた?
しばらくの間休憩しているとサヨの顔色も戻ってきた。
「じゃあそろそろ行く?」
「まって…」
「ぬ?」
「やっぱり話す、私ね…、以前にここに収容されていたの」
「そっか…」
侵入した時の態度とさきほどの態度でなんとなく察していたのでさほど驚く事はないので大した反応はできなかった。
「私はここの売り物だった、それであの人に買われて私になった…」
「つまりこの世界は君がいた世界なんだね…」
ゆっくりとサヨはうなずく、戻った顔色も悪くなっていった、このままでは仕事の遂行もできそうにないだろう…、おそらくわざとこの世界を選んだんだろう。
「どうする、僕だけで行こうか?」
「…いく、決着をつける」
両頬を叩いて気合いを入れて立ち上がる、それと同時に手足が龍のような固い鱗に覆われる。
「本気で、速攻で、終わらせる…、今の私にはそれが出来る」
いつもと見慣れない姿だが、しかしこの姿では静かに行動はできそうにない。
「それって静かにできる?」
サヨがゆっくりと視線を逸らす。
「…じゃあ僕が静かに行動するからなるべく表の方で陽動しててくれ」
「わかった、思いっきり暴れてくる」
真剣な顔をしてどこかに行ってしまった。
「さて、行くか…」
自分も気合いを入れ直し行こうと一歩踏み出すと遠くで爆発音が聞こえてきた、さっそく飛ばし過ぎだと思う。
「さすがに派手すぎないかな」
それからも断続的に爆破音が聞こえてくるためそれに合わせて慌ただしくなり中での行動がかなり楽になった。
発信機の信号を頼りに地下に進んでいく、進んで行くたびに悪臭がひどくなる仮にも売り物なのだからもっと丁寧に扱うべきだと思うがこの世界の常識は知らないので強くは言えない。
悪臭に耐えながら進み、ようやく人が捕まっている所にたどり着いた。




