自分のステータスがあるのなら見てみたい
ついにここまで来た…。
この世界をただただ快楽のために破壊するなんていうふざけた思想の魔王を倒すためにわざわざ塔を5つ破壊したり装備を作るために素材を100種類以上集めたりひたすら同じモンスターを倒してスキルを取得したりしてようやくたどり着いた。
とうとう魔王を倒せば俺は元の世界、日本に帰る事が出来る…この世界での鬱憤を全部魔王にぶつけてやる!
と思っていました…。
開幕魔王を早速〈鑑定〉してみた結果、
全てのステータスがパーティーメンバーの合計値よりも高くて全耐性持ちがあって何か謎バリアもあるし全部の攻撃属性もあるし、絶属性という訳のわからない属性もあるし勝てる気がしない…。
ゲームでよくあるような最終決戦のような雰囲気なのに相手のステータスを見た瞬間に魔王には勝てないと本能から察してしまった。
「あれに、勝てるのか…?」
「何言ってるのよ、勝つのよ魔王に!」
この世界で一番長い付き合いの彼女が軽く答える、彼女も鑑定を持っているのに自分のように後ろ向きにならず「仲間がいるんだもんいけるって」と根拠のない自信で励ましてくれる。
「よし各自陣形を維持しつついくぞ!」
ここまで来たんだ、やってやるさ。
「や…っぱり、無理…、だった……」
攻撃が一切通らなかった、攻撃を受けた瞬間に回復魔法と回復薬で何とか生きているような状態だ。
時間を掛けて用意した防具は予備も含めてほとんどがボロボロでもう使えそうにない。
「あいかわらず一瞬だな」
すぐ近くにいきなり2人の人間が現れた、場違いなラフな格好と雰囲気で緊張感がない。
こちらをチラ身していたが興味が無いようなので直ぐに魔王の方に向いていた、あの人からは一切強さを感じない。
魔力すらも感じない2人に警戒し今までも助けられてきた〈鑑定〉を使用する。
【No Data】
……は?
No Dataってどういう事だ、初めてみたぞ…、普通はスキルとかで読めない表記があるはずなのにNo Dataの表記は初めて見た…、さらに鑑定してみると、
【No Data】
(N/Aが参照できません)
全く意味がわからない…、とにかくアレは僕たちの理解を超えている物だろうか…。
「何だお前は?!」
魔王もアレに鑑定をしたのだろう、解りやすく動揺していた。
女性の方が構えると大きな銃が出現し大きな音や衝撃と共に弾丸が放たれる、魔力などは感じないし見た感じただの弾丸ようだがそれだと魔王の物理耐性に防がれてしまう。
魔王は謎の存在の攻撃に警戒したのか障壁を展開して備えているがそれらをすり抜けて弾丸が当たる。
「ナゼだぁ!!」
魔王の手が大きく抉れているがHPが一切減少していなかった。
「一体何が起こっているんだ…」
仲間の一人が呟く、魔王を圧倒している姿は自分や仲間の魔王を倒すための長い時間を嘲笑うかのようだった。




