最後の授業2
教室の横にある事前に用意した物をゴーレムに持たせる。
それは不格好な剣だった、持ち手の部分は大きいが刃に相当する部分は持ち手と比較してもずいぶんと薄い。
「先生、それはずいぶんと不格好な剣?ですわね…」
魔法が発展しているこの世界で生徒達が同じような反応をしているためこの武器は存在しない事が確定した。
「これは刃を高速で回転させることで多少切れ味が落ちても無理やり対象を切断する武器だよ、回転させる機構が難しくてこんな大きさになったけどね」
剣を振動させる事ができなかったのでチェーンソーにすることにした、刃の部分を回転させると教室の狭い空間に空気を切り裂く音が響き渡る。
全員が一気に耳を塞ぐ、自分も塞いだ勢いで回転が収まる、それから数秒ほど沈黙が続く。
「ま、先生も万能じゃないってことで…」
「先生でも失敗するんだ…」
「そりゃあ人だしな、いいか人間はな絶対にミスや失敗をするもんなんだよ」
生徒達は首を傾げておりまだ理解できないようだ。
「これの騒音問題を解決すればいい武器になるんだけど」
「そのうるさいのを何とかしたらどんな武器になるんですか?」
「これね、刃を高速で回転させることでよく切れる剣になるはずなんだけどな」
ポケットから前回授業で使った小さなゴーレムを取り出し、先ほど騒音を出した武器のミニチュアサイズを持たせて起動させる、サイズが小さいおかげで耳を塞ぐほどではないが騒音が鳴っている。
「こんなに小さくてもこんなにうるさいのだから大きくなったらあんな音を出すわけだよ」
「実際すまんかった、しかしこの切れ味をとくと見よ」
騒音を出しながら動かなくなった大きいほうのチェーンソーに切りかかる。
激しい音と共にチェーンソーにが豆腐のように安易に切断される。
思った以上によく切れたため床が一部切れてしまった、後で埋めておこう。
生徒達はあまりもの切れ味に唖然としているようだ。
「先生もここまで切れるとは予想できなかったよ」
「…先生すごいですよコレは!」
「そうだな、でも人が持つにはまだまだ思いかな」
「というか事前に試したりはしなかったのですか?」
「こんなに大きな音がでるからね、ぶっつけ本番だよ、別に完成事態はしてないくもいいからね今回の授業は可能性の話だからね」
「じゃあ先生は今後この武器の研究を?」
「いや先生はやらないよ、もし君たちが研究を続けたいのなら資料は渡すよ」
「いいのですか、でしたら遠慮なくいただきますわ」
女子生徒の一人が手を上げただけで他の生徒はどうでもよさそうだった。
その後は適当に装備を付けてみたり、ゴーレムをスムーズに動かす構造など詰め込めるだけ詰め込み授業が終了した。
「それじゃあ最後は駆け足になってしまったけどこれで授業は終わります」
「先生、短い期間でしたがお世話になりました」
「短くなってしまいすいません、お二人の授業は生徒達に大好評でしたよ、向こうにもいい報告が出来そうです」
「はい、こちらも貴重な体験をありがとうございます」
長かったような短かったような学校の教師生活が終了した。
「お帰りなさい」




