自分に与えられた仕事
「よしよし、それじゃまずは君の経験を前世含めて教えてもらおうか」
自分が前世を含めて経験は飲食店のアルバイトと今世の家の家事手伝い程度である。
「へー、ニートじゃ無かったのね」
そこに驚くのか、いや確かに異世界転生のテンプレは学生かニートだけどさ…。
「まぁ、でもその程度じゃ今は大した事はないね」
今の部分を強調してくれなかったらもしかしたら切れていたかもしれない、思えば転生者というだけで凄い事だ。
「仕事自体は私は決める権限がないから、しばらく待機ね、お金渡すからしばらく食べ歩きしてくるといいわ、スイーツとかジャンクフードとか久しく食べてないんじゃない?」
そう言われてお金を受け取る、お札の人が違い改めてここは自分の知っている前世ではないと実感する。
「一応ここは重要機密だから終わったら公衆電話で連絡くれればすぐに私じゃないけど迎えが行くわ、それまで楽しんできなさい、一応0時までには連絡頂戴ね、なるべく職員には残業させたくないからね」
どうやらホワイト企業らしい。
自分は早速外に出て遊ぶ事にする、ゲーセンに行ってみたがどこかパチモンくさい景品と知らない音ゲーで遊ぶ気は失せた、本屋とかもそんな感じだった…、そりゃ楽しめるのは食べ歩きしか無いな。
テキトーに食べ歩き、満足したあと駅の公衆電話で連絡を入れる、テレホンカードを入れただけで勝手につながり、その付近で待っていろと指示を受けた、てっきり誰かが監視している物かと思ったが、どうやら尾行などはされていなかったらしい。
「さて、まずは研修よ、異世界で日本食の料理屋をしている店に調味料を届けに行ってきて欲しい、もちろん一人ではなく先輩について行く感じで基本は何もしなくていい」
研修はどれくらい続くのだろうか、なんにせよゆっくりやっていけばいいようだ。
「もちろん法なんてあってないような世界だから、最低限の武装でこれを渡しておくわ、特にロックとかは掛かってないけど、あくまで護身用よ」
「なんか玩具みたいですね」
手渡されたのは昔のSF映画に出てきそうなカラフルな銃だ、このバネみたいなのものはいったいどんな意味があるだろうと子供のころから思っていた、プラスチックで出来てそうな見た目の割にズッシリと重く金属のようだ。
「一応扱いには気を付けてね、それ一発で人なんて簡単に消し飛ぶんだから」
ファッ!、思わず落としそうになるが、なんとか持ち直す。
「とりあえず俺TUEEEは暫くそれで我慢して頂戴」
いやいや、そんな願望も…少しはあるけど…。
ま、すぐにできるんですけどね