結局焼くだけに落ち着く
なんとか索敵系の能力をしない限り初見では見つからない程度の拠点が完成した、こういう時に龍でメカ娘なサヨの能力に頼り切ったがそれなりのスペースを確保できたのは大きい。
「よーしよし、えらいぞーサヨ―」
ペットを撫でまわすようにして褒める、初めてやってみたがサヨも嬉しそうだし、またなんかあったらこうして褒めよう。
「あ、誰か来ます」
撫でられてもみくちゃになっている状態からいきなり真顔になって驚いた、こんな時でもしっかりと索敵しているのは流石だと思う。
「何人、こっちに真っ直ぐ来てる」
「いえ、真っ直ぐではなくふらふらしてます、あと1人です」
1人でふらふら…、もしかして転生者の人が野草の採取でこの辺まできたのか…、一応石多めでカモフラージュしているが、石をどかされてしまえばすぐにバレてしまう。
壁に耳を足音が聞えないか探ってみるが、水が流れる音が聞こえるだけで無駄だった、様子をうかがうにしても見つかる可能性があるので、迂闊に見ることができない。
「こっちに向かって来ている人はどんな感じ?」
「真っ直ぐは来てないからまだ大丈夫…だと思う」
「思う、か…」
このまま喋っていてはバレる恐れがあるので、もう喋らないようにした。
もう何分経っただろうか、もしかしたら1分も経っていないかもしれない、足音が聞こえず近づいているのか、遠ざかっているか分からない…、だんだんと緊張が高まっていく、そしていつの間にか息をするのを辞めてしまったのかどんどん苦しくなってくる。
トントン
もう息を止める事が限界になった時、サヨが僕の肩を軽く叩く。
「もう話しても大丈夫、遠ざかってる」
「ハァ…、ハァ…、無駄に緊張した…、というか見つかっても良かったじゃん…」
「でも見つからない方がいいよね」
「そうだな…」
サヨの頭を撫でて心を落ち着かせる、こんな時に1人だったら確実に見つかっていただろう。
「とりあえずもう太陽が沈みかけているし、晩御飯にしてもう寝ようか…」
「うん」
さすがに調理する時間も道具もないので持ってきた携帯食を食べる、村で食べたモノよりおいしかった。
携帯食料も食べ終わり、しっかりとかたず片づけた後、横になる、すかさずサヨがしがみつく、川のすぐ近くもあり、少し寒いので助かる。
「まったくよ、同じよしみだっていうから入れてやったのに結局食料がなくなるだけか!」
「すいません…」
外から声が聞こえる、謝っているのは転生者の方だ。
「お前同様、役立たずだったな、女も使用済みと来た」
サヨの事だろうか、ボロクソに言われているが大丈夫だろうか。
「で、その無くなった食料の埋め合わせはしてくれんだろうな」
「はい…分かっています…」
転生者の声が高くなりまるで女性のような声になった、横をみるとサヨが握り拳を作って耐えているのがわかる。
「助ける?」
サヨが静かにうなずく。
「周囲に人は」
「いない、二人だけ」
「…一気に対象を麻痺させて、その後に毛布をかぶせる、タイミングは任せる」
サヨが軽くうなずくと、一度息を整えて目を見開いたあと、一気に飛び出した、すぐに人が倒れる音が聞こえる。
「え、終わった?」
恐る恐る出てみる、どうやら本当に一瞬で終わらせたようだ。
「終わったよ」
「君たち、行ったんじゃなかったのか…」




