盛大に何も始まらない
「本当に謎の装甲をしているのぉ、加工しやすく固くて丈夫、しかも鉄よりもおそろしく軽い」
それ、土と砂鉄なんですよ。
「本当に謎だな、こんな素材いったいどこにあるんだ…」
きっとその辺にありますよ。
「おまけにこの間接の構造…、確かにこれならこっちのも軽量化できるな」
すいません、それアニメの知識なんです、すごい罪悪感ががが…。
だんだんと人が集まりだし、ロボットを弄りだす、まるで餌に群がる蟻のようだ。
「おい、ボウズ、こいついじるぞ、もちろん元に戻すかなぁ!」
許可を取っている口で既に装甲のカバーを外していた、あの人は確実に怒る時も口よりも先に手が出るタイプだな…、というか横で今にも噴火しそうなサヨをなでなでしながら鎮めておく。
がっつりと体重を掛けずに寄りかかり、胸でしっかりと挟んでくるあたり流石だと思う。
暫く祭りのようにロボットをばらして、ついに骨組みだけになってしまった。
「すごいな、流用できるパーツが一つもないぞ」
まさか最初からパーツ取りのためにばらしていたのか。
「こりゃ俺たちじゃ修理できないな」
修理できるかばらしていたのか、疑ってしまって申し訳ないな…。
「リーダーの機体にくみこめぇな、HAHAHAHAHA」
やっぱりパーツ取りのつもりだったのかよ!
しばらくしてしっかりと組み立てられていた、やる気の無さそうな声を出していたが、そこは整備士のプライドなのかしっかりと元通りになっていた。
「なんなのあいつら…」
あっという間にバラバラにされたと思ったら、文句を言われて、あっという間に元通りになっていた。
「私があんなに時間がかかったのにあっという間に…」
「まぁ、あれは本職だし…」
サヨを慰めるがあまり効果は無いようだ。
ロボットから人がいなくなったので乗り込んで操縦してみる、ちゃんと指示した通りのコックピットになっておりゲーセンで遊んだような感覚で操縦ができそうだ。
ボタンが沢山あり、すべて把握するにはそれなりの時間がかかるだろう、あと1月もあるのだから余裕ろう、と思いたい。
試にレバーを前に倒して前進させてみる、すると両方の足を動かそうとしたのか躓いてしまい、サヨが慌てて姿勢を直す。
「こりぁ、いろいろ弄らないとなぁ…」
どこかのロボットアニメの主人公がロボットのプログラムを弄っていたシーンを思い浮かべる。
「……無理だな」
時間を掛ければできなくもないだろう、しかし確実に1月以上はかかってしまう、それでは異世界に来た意味がないのできっとコイツはココに置いておく事になりそうだ、せっかく作ったのにもったいない。
「なんとかゲーム感覚で動かせないものか…」
「さすがに私もその辺は分野じゃないなぁ」
ロボットに乗って自在に戦場を翔る夢が遠のいた瞬間だった。
「まぁでもガワだけでもできたしよしとするか」
自由に動かすにはレバー2本だけでは足りないようです。




