この世界を破壊しようとするもの
車を進めていくと建物が崩壊している所が増えていき逃げ惑う人でなかなか進めなくなっていた。
「もうコレは捨てるか」
「そうだね」
日本で買ったものなら惜しくてサヨに無理やり運ばせていたかもしれない、もしくはこんな事態になる前に遠くに避難しているかもしれない。
「僕らはこの車を捨てるので自由に使ってください」
そういってサヨと車を乗り捨てると数人に車に乗り込み、いろいろな所にぶつかりながら走り去っていった。
徒歩で移動した方が結果的に早く到着したかもしれない、崩れた建物が放射状に広がっており、転生者と主人公、それからギリギリ人の形をしたナニかが立っていた。
「これは加勢した方がいいのだろうか……」
「でも状況的にまた私の単独になるよ、動きが複雑だから援護も難しいし」
「こまったな、アイテムの強化ももうないし……あ」
頭を抱えて考えると足元にこの世界の主人公の物と思われる強化アイテムが半壊状態で落ちていた。
「コレ、使えないかな?」
半壊したアイテムを拾ってサヨに渡す、素材になりそうな物はそこらじゅうに落ちている。
「これならなんとか、強化方向はどうする?」
「単純な強化で」
「わかった、それならすぐだよ」
サヨはすぐさま近くに落ちている鉄くずを拾い集めて加工し始める、半壊していた外装を整えるだけならすぐ済んだようでデータの書き換えを行っていた。
「この前より早くない?」
「バックアップがあるからね、ライブラリから引っ張ってこれば単純な強化なら簡単だよ」
「そ、そうか」
サヨの言っている事がよくわからないが簡単に済んだようでもう完成したようだ。
「よし、これ使ってください」
転生者に向けて改造した物を投げると、主人公が転生者を押しのけてアイテムを奪い取る。
「これは元々俺の物だ」
主人公がアイテムを装着すると突風が吹き思わず伏せてしまう。
「これはすごいな……、先にアレを倒す」
主人公が今までに見た事のない姿になり、怪人の方に攻撃すると一瞬で倒してしまった。
「よかった……」
戦闘が終わると転生者が膝から崩れ落ちた。
「え、大丈夫?」
「僕はこれでいいんだ……」
まだ近くに敵がいるかもしれないので変身を解除するのは危険なのだがそんな事は気にしていないようだ、それと同時に達成の通知が届いた。
「どゆこと、いいや帰ろう」
「はーい」
最後はよく分からなかったが仕事が終わったようなので帰る事にした。
「おかえりなさい」
「只今戻りました」
仕事が終わって戻ってくると微妙な顔をしていた。
「……どうしたんですか?」
「いや、まぁあの世界はあの転生者の世界で終わったので私は何ともですが、アレはとてもつまらないです」
「どういう事ですか?」
「いえ、原作の話ですよ、そこからドラマ性やら駆け引きやら強化イベントやら全部なくなったんですよ、それはそれはつまらないものですよ」
「たしかにそれはつまらないような……」
「そういう事ですよ、でもいいデータは取れましたよ」
「データですか?」
「はい、こっちの話しです、それでは暫くの休暇を楽しんで下さい」




