この世界での変身ヒーロ―の扱い
警察たちには上手く撒かれたようだがレーダーで常にとらえられているサヨは逃がしはしない。
「こっち」
警察官がまだ周囲を警戒しているので少し遠回りして変身ヒーロ―の所に向かう。
「あれ強くね、最後の方の怪人だよね……」
わざわざ確認するまでもなく転生者というのが判明した、稀にメタ発言するキャラクターがいたりする作品があったりするのだが先ほど対峙した怪人がいつ来るか解っているのはその作品を知っている転生者の可能性が高い。
「というか基本フォーム縛りなのはきつ過ぎるって、せめてフォームチェンジさせて欲しい……」
どうやら彼の手元には基本のセットしか持っていないようだ。
「しかも主人公は普通にいるし……」
どうやらこの世界の主役になれなかったようだ、彼に駆け寄ってくる人もおらず1人で患部を抑えていた。
「あの大丈夫ですか?」
とりあえず無知を装って近づいてみる。
「ちょっと転んじゃってね、騒ぎも収まっているみたいだしここで休憩しているんだ」
笑顔で対応してくれたが何故か壁を感じてしまった。
「そうなんですか、気休め程度ですけどこれ使って下さい」
そう言ってから包帯とガーゼ、消毒液を取り出す。
「今時そういった物を持っているなんて珍しいね」
「そうですね、職業柄みたいな物ですよ」
「ありがとう、いただくよ」
一式受け取とり、患部の治療を始めるが患部が痛むようで上手く包帯が巻けないようだ。
「やっぱり僕たちがやりますね」
包帯をとりあげてサヨと二人で包帯を巻いていく。
「ありがとう、助かったよ」
包帯を巻く箇所は案外少なかったので右腕と腹部のみであとは汚れているだけだったので持っている布で拭けば大分マシになった。
「傷が化膿したりずっと痛むようだったら病院に行ってくださいね」
「その時は君の所に行かせてもらうよ」
そもそも医者ではないしこの世界に拠点すらないので行く所がないのでとりあえず笑って誤魔化す。
そのまま分かれる雰囲気になり分かれてしまったので別れてしまい行ってしまった、場所はサヨがマーキングしているので余程の事が無い限り見失う事はない。
「とりあえず拠点どうしよ……」
「そうだね」
ひとまず自分達の拠点の心配をしているとまた人の悲鳴が聞こえてきたのでまた戦闘しているのかと思い向かうと今度はフォームチェンジをしながら戦っていたのでこの世界の主人公だろう、しかし対戦しているのはさきほど転生者と戦った怪人で恐らく変身ヒーロが終盤に得られる力を使わないと勝てない敵なのだろう終始押されている。
「さすがに援護しようか……」
おそらくこの件に関しては転生者と自分達が関係していると思われるので、少し離れた所から狙撃して援護して怪人を撃退した。
変身ヒーローもサヨの気づいたようで怪人を倒した音も首を傾げていたり周囲を見回したりしていた、おそらく自分達はバレていないと思う。