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プロローグ→嘲笑うスポットライト
土日に祝日が連なった、三日連休。不幸にも、まる三日三晩、僕は高熱に苦しんだ。
外出後の手洗いにうがい、定期的な身の回りの掃除、季節に敏感な衣服の調節──周りに比べ、普段から健康には気を遣っているつもりだった。しかし裸眼では到底見えはしない菌の侵入は完全には防げず、何年ぶりかも分からない病気にうなされたのだった。
ところが、あながち僕の健康に対する気遣いは疎かでもなかったらしい。
つまり高熱は、次に僕の身に降りかかる不幸の、ちょっとした前触れに過ぎなかったのだ。
「…………どうして、こんなことに」
平日。また今日から始まる五日間の集団生活を思うとちょっぴり鬱になる月曜日の朝。
鬱どころの気分ではなくなることに。
──僕は、女になってしまっていた。