連れてこられた5人
「ただ、遊びたかったっすのに」
そんな不満の声を抱きながら、俺は生徒会長の無月と痲璃亜と、男の子の後について行く
さっきから酷いっすよ、無月はここの遊園地に俺達が入ってから一日たってるっていうし
確かにここは、いわくつきの遊園地っすけど別に時間が分からないだけで、他のアトラクションは普通に動くっすし、別に何ら普通の遊園地と特に変わった様子なんて無いのに
そんなことを考えていると、男の子は何やら大きな広場で足を止めると、近くにあった気に背中をより掛けた
どうやら、案内はここまでのようだった
しばらくすると、遊園地を少し眺めていた青年が此方に気づき向かってくる
俺たちの前に立つと、不思議そうにしながらも話しかけてきた
「貴方達もここに連れてこられたんですか?」
声を掛けてきたのは、俺達とそう歳の変わらそうな青年だった
青年は、茶色の髪に左耳にピアスを付けていた
一見チャラそうに見えた見た目だが、中身はどうやら礼儀が正しそうだ
「お前は?」
無月は、青年に聞き返すように話していた
それもそうだろう、知らない相手にいきなり話しかけられても困るからだ
青年は、聞き返されたことに少し驚いてはいたがしばらくすると落ち着いた表情で無月の質問に答えた
「私は、天野 菊と言います」