二人の影
メモ頼りに、遊園地のゲートまで来ていた
森の中にあった為、時間がだいぶ時間がかかってしまった
ついた頃には、自分を明るく照らしていた太陽も山へと姿を隠そうとしていた
ゲートの前に立ち、真達を呼んでみるがやはり中までには届かないのか、自分の声だけが小さくこだましていく
やはり中に入らないといけないのか
外から中を見ても、中はだいぶ錆び付いており営業はもってのほか今にも、遊園地が壊れてしまいそうだ
しかし、真達が万が一ここにいたら置いてなどいけない
仕方なく中に入る為に、ゲートを開けた
しばらく使われていないせいか、ギギギという音をたてていた
中に入ったその時だった、さっきまで静かだった遊園地が一変していた
キラキラと周りを照らしているライトアップ
子供達が遊びそうなアトラクションが一人でに動いていた
気味が悪い......
ここは、何かが可笑しい
自分の手がかすかに震え、冷や汗をかいていた
帰りたい気持ちが高ぶってきたが、その気持ちを抑え真達を探す為、また、走り出した
「真ー!痲璃亜ー!」
探し続けて、どれぐらい時間がたったのだろう
多分、二時間くらいだろうか?
携帯をとりだして見ても、真っ暗な画面から戻ることは無かった
息を切らしながら、遊園地を見渡す
一つも置かれていない時計
アトラクションや、綺麗なライトアップまでされているのに人一人も見つからないこと
アトラクションやライトアップがされているのは何故だ?
そんな疑問が頭をよぎる
閉館してしまっているなら動かす必要などないはずだ
まるで、俺が入ってくるのが分かってたかのように
けど、閉館している事も知らなかった
この遊園地の事も、真を探す為に来ただけだ
そんな偶然も、分かっているなんて可笑しい
しばらく考えていると、かすかだが二人組の会話がベンチから聞こえてきた
もしかしたら真達と思ったが、確信がもてないので茂みに隠れそっと影に近づいていく
しかし、その人影が近づくに連れて、確信に近づくに連れて、俺は、茂みから顔を出し名前を呼んでいた
「真...?痲璃亜...?」