I'm OK You're OK 5
高山くんとの関係はとても良好だ。一部を除き。
ふと疑問に思って、今後の部活予定を決めるために集合したファミレスで、何気なく高山くんに訊いた。
高山くんは食が細い。そして好き嫌いも多い。何度かご飯を食べに行ったが、いつも残していた。
いまもサラダのトマトをフォークでつついたりしている。
メインのハンバーグも、半分食べたところで、「やる」と言って皿を私のほうに移動させる。
私はすでにドリアを完食している。いいけど、残すことがいやなので、食べろって言われたら食べますけど。毎回このパターンなので、このひと私を肥えさせたいのかしらと思ったりするけど。
「彼氏とともだちって何が違うの?何をしたいの?」
毎日部活で会って、毎日電話をする。お互いに忙しいので、いわゆるデートというものはしていない。今日だって部活の打ち合わせだ。
付き合うというわりに、特別なことはなにひとつしていない気がする。これならともだちというくくりでも十分だ。
と思ったら。
「綾とキスしたいし触りたいしセックスしたい」
「ぐっ」
いきなり生々しい単語が出てきてたまげた。思わず顔を上げる。ぶつかった視線がまっすぐに私を射抜いた。
ハンバーグが喉に詰まりそう。あわててコップに手を伸ばす。
なんということを言ってくれるのだ。思わず周りを見てしまう。
店の隅にある四人がけのテーブルに向かい合って座っている私たちに気を配るひとなんて誰もいなかった。
店内は変わりなくゆっくり動いている。
動揺したのは私ひとりだけだった。
付き合うと言うことがどんなことか知らない年じゃないし、そういうことも込みだとはわかってはいるけど、いまいちぴんとこない。
それは高山くんが意図的に性的なこと匂わすことはなかったからだ。
触れてきたことも、それを求めるようなことも。
そして、それは、たぶん。私が望んでいないことを知っているからだ。
高山くんは、そのひとが本当にいやがることをしない。
地雷を踏んだ。
「ごめん聞かなかったことにする」
思わず両手を挙げて降参のポーズをとる。
あーあー、聞くんじゃなかった。
そういうことは暗黙の了解となっていた。
思いっきりしかめっ面になっているのだろう。高山くんは面白そうに笑った後、私から視線を外さずに言葉を続ける。
「そういうことをしても許される存在になりたいと思っちょるし、ほかのやつとそういうことすんなって言う権利がほしいぜよ」
空気が変わった。
違い。何だ。これ。彼。彼の目。
彼の目にははっきりと性を感じさせる色が出ていた。
強い感情をどんと目の前に出されて正直びっくりした。
感情は凶器だと思う。たった一言で聞いた人の心を揺り動かす。
仕事をしているときは、強い感情を浴びるとわかっているからそれに備えられるけれども、今みたいに無防備でいるところにくると、その言葉がぶすっと心に突き刺さる。
わかっていたことだった。そういう目で見ているということも。
ただ、普段は表に出さないだけで。
改めて言葉にされると、そういう目で見られると、うろたえてしまう。
彼にとって私は、そういう対象なのだと。
動揺している気持ちを表面に出さないように、いつも通りの声になるようひとつ息を吸う。気づかれないようにしなくてはいけない。
「これが世に言う独占欲…」
わかっている。動揺するなんておかしいのだ。
付き合うとはそういうことだ。
ただ、強い感情に堪えられない。すっと視線を外す。
唇が震える。茶化すような口調にはできなくて、ため息と一緒に「やれやれ理解できない。これにて終了」という雰囲気になるように、ハンバーグの皿を横どけて、テーブルの上に広げていた書類をがさがさと大げさにまとめる。
この話題を変えたかった。
「あたりまえじゃ。どこの世界に好きなやつにちょっかいだされて平気なやつがいるぜよ」
高山くんの顔はまじめなままだった。
「わー否定もしないよ…」
怖かった。
だって私なら言えない。
そんな強い感情、外に出せない。
第一印象で感じた、私と似ているというイメージはどこにいってしまったのだろう。
高山くんと私とは全然違う。違いすぎる。
だからこそ、思う。
なんで私にこだわるんだろうって。
高山くんは驚くほど大胆かと思えるが、押し切ることはない。
誤解を恐れない。いや違う。誤解されることに慣れているのだ。
とても賢い人なのだ。きっと幼少期に自分が他人に理解されないことを悟って、誤解を解くことをやめてしまったのだ。
周囲の反応に揺るがない彼。それは裏を返せば心の中に他人がないということだ。
なぜかそれがとても悲しい。
今日の部活は隣の中学校へ練習試合の予定だ。日曜だけど。学校休みですけど。まあ試合をしてくれるのは生徒にとってすごくプラスになるので、私もがんばりましょう。
忙しい中、ありがたいことに保護者が車を出してくれることになっている。集合時間に部員が来ているか確認し、ボールなどの道具は私の車に積みこんだ。
出発予定時間が迫っている。
部長がてきぱきと指示を出し、全員乗り込んだことを確認して、私のところへ報告に来る。
「先生、全員乗りました」
「了解。じゃあ部長も車に乗って」
「…コーチはこないんですか?」
「…連絡してみるわ」
部長は気が気でないらしく、私のそばを離れない。高山くんがコーチになって始めての練習試合だ。試合展開などアドバイスをもらいたいことは山ほどあるだろう。
点呼をするとき、さりげなくタカに様子を訊いてみたが、「わかりません」とのこと。わからないって何だ。と思って突っ込んで訊くと、「朝起きてから姿を見ていません」と。何このドライな感じ、ほんと一緒に住んでいる家族なのかしら、と疑ってしまう。
仕方なく鞄から携帯を取り出して、電話をかける。呼び出し音は続くが、出る気配が無い。留守番電話サービスに転送され諦めた。電話をおろしながら決断を下す。
「出ないわ。これ以上遅くなると練習相手に迷惑がかかるから、出発しましょう。向こうについてからまた連絡してみるわ」
「はい…」
明らかに落胆の表情を浮かべる部長。
申し訳ないけど、休日に拘束するのは気が引けるのよ。
できることなら練習試合も来てもらってベンチコーチをしてもらいたいけど、平日みっちり拘束している分、強く出られないのよね。生徒には内緒だけれども、あのひと昼夜逆転した生活しているし。
今日の予定も「試合があるけど」という控えめな誘いしかできなかった。交通費程度は支給されるけれど、ほぼ無償だし。
けれど高山くんはなぜか行くのが当たり前のようなことを言っていた。こちらが申し訳なくなってしまう。
「無理しなくていいよ、朝早いし」
部員たちがアップをし始め、周りに生徒がいないのを見計らって話しかける。
私としては気遣って言っただけなのに、眉間に皺が寄ってものすごく不機嫌です、という顔で睨まれた。 高山くんは目つきが悪いから、そんな顔されるとちょっと迫力あるのよね。怖いじゃないの。ていうかなんなの。
「無理しとらん。行くって言ったら行くぜよ。行ったら迷惑なん?」
なんで微妙に怒っているの。気分を害すようなこと言ったっけ。
「いやいや、そういうわけじゃなくて。来てくれるのは嬉しいけど、体調大丈夫なのかなーって思って」
必死に弁解をすると、「そうかそうか」と言って急に機嫌がよくなった。なんなの。
微妙に鼻歌なんて歌っているし。もうわけわからないわ、と無駄に疲れてしまう。
なにこの疲労感。これどこかで経験したことあるような。
あ、そうか、猫だ。高山くんって猫っぽいんだ。
「おまえさん心配してくれたん」
なんか喉鳴ってそうだし。
そう思ったら広い心で接することができそうだ。イライラするだけ無駄のような気がする。
「ええ、まあ、それは」
20代も半ばで徹夜はしんどいと思うのは私だけなのだろうか。やっぱりホストのような仕事になると体力勝負のところもあるかもしれない。私なら無償のテニス指導をするために頼まれたって徹夜なんてしたくないけど。
まあ機嫌を損ねるとそれはそれで面倒なので、好きなようにしてくれたらいいですよ、と思っていたのだ。
あの様子なら来るかと思ったけれど、仕方がない。部長を車に乗るよう促し、私も運転席に乗り込もうとしたところで、部長が大きな声を出した。
「コーチだ!」
振り返ると校門から走ってくる高山くんの姿が見えた。
「すまん、遅くなったなり」
肩で息をする高山くん。いつも飄々としているから、そんな姿は初めて見た。
「朝電話なかったし、具合が悪いのかと思ったんだけど。ってごめん、とりあえず車に乗って。出発遅れているから話は中で聞くわ」
高山くんが助手席に回ったところで、保護者の方に「それでは出発します」と声をかける。私も急いで運転席に乗り込む。
いつもかけてくる電話がなかった。電話をかけてくるようになって初めてのことで、何があったのだろうと心配はしていたのだ。
もし体調が悪くて寝ていたら、起こすのはよくないし、高山くんのことだからもし何かあれば連絡があるだろうと思っていた。
エンジンを掛け車を運転しながら話を切り出すと、高山くんはがっくりうなだれた。ため息も聞こえる。
「…綾の心配は外には見えにくいのう。わかったなり。今度そう思ったなら電話をかけてほしいぜよ」
「迷惑になるかもしれないのに?」
「その遠慮が迷惑なり。俺がそうして欲しいって思うから言うぜよ」
「はぁ」
よくわからないけど、そうする方がいいならそうしよう。
会場の学校に到着すると、すぐに準備運動を始めるよう部長に伝達する。
相手の顧問に挨拶をしに行く。ここの顧問はうちの主顧問と仲がよく、また私と同じ国語科の先生だ。研修などで何度か顔を合わせているので、よく練習試合を組ませてもらっている。
とてもありがたい。
「どうです、高瀬先生。こどもたちの様子は」
「ふふふ、さらに強くなってきてますよ。今年はコーチが入りましたしね」
「あれ…あの白い頭をした彼?よく管理職が許可したね」
学校で見るとその異質さが際立っている。
私はもう見慣れてしまったけど、初めて見るひとは驚くだろう。
「…ええ、あんな格好してますけど、優秀ですよ」
「今年は負けませんからね」
宣戦布告されてしまった。
できることなら彼がベンチコーチをするほうが、生徒たちのプラスになる。
と考えて渋る彼の肩を押して歩かせる。
最近少しわかった気がする。高山くんは私が強く押すことはあまり反対しない。
ベンチに高山くんを座らせて、その後ろに立つ。いままでは私が試合の記録を取っていたが、今日は部員に任せている。今日は試合を観ることに集中したい。
やっぱり試合は実際にやってみないとわからないところがある。
基本的なことはわかってきたつもりだけれど、試合となると、経験の浅い私ではわからないことのほうが多い。
ようやくサーブやボレーができるという私に、相手を見て試合展開を考えるなんてまだ到底できない。
体育の先生とスポーツについて話をしたことがある。
その先生が言うには、スポーツは二種類に分けられるそうだ。
オープンスキルと、クローズドスキル。
スキーや水泳などの反復練習が鍵となりどれだけ正確な技術が身についているかを問われるスポーツと、その状況に対し最も適するプレーを選択できるかという判断を迫られる球技系のスポーツ。
前者がクローズドスキルで、後者がオープンスキルだ。
クローズドスキルが要求されるのは、たとえば陸上競技だ。理想の動きを習得するために練習を重ねる。本番では、大会では、いかにそのイメージ通りに体を動かせたかで、勝敗が決まる。
それに対して球技系スポーツは、常に状況判断を迫られる。刻々と変化する状況での技術を求められる。相手がいるスポーツはこの分類に入る。テニスもそうだ。
しかしスポーツというのは、どちらかのスキルだけ磨けばいいということは少ない。
テニスの中にもオープンとクローズドがある。
サーブはクローズドスキルを求められるし、ラリーに関しても基本の動き、つまりクローズドがきちんとできていないと上達しない。
その上で相手がいるオープンの要素をもつ試合が成り立つ。どちらも必要なスキルなのだ。
これでいうと、私はまだクローズドスキルしかないことになる。
それ以前に、残念ながらスポーツを極めたことが無いので、オープンスキルはわからない技能だ。
長年練習してようやく習得するものだろう。
私にはまだ理解できない世界だ。
オーダーはすでに昨日の時点で決めてある。
力のある三年生を中心に、そして意外な二人をダブルスに組んだ。最近力をつけている二年生と、いままでシングルスをしていた三年生。今までそのペアで試合をしたことがない。けれど高山くんは考えるところがあるのか、数日前からその二人にダブルスを組ませていた。
二面あるコートで同時に試合を進める。
予定では、団体戦を行い、その後試合に出なかったもの同士でいくつか試合をさせるということになっている。ひとつでも多く、ひとりでも多く試合をさせてあげたいという相手の顧問の先生の配慮だ。
タカがシングルスとしてコートに立つ。
タカのプレー。タカは基本をきちんと守るプレーをする。
初心者が多い新入生の中でその腕はずば抜けていた。彼は幼いころからテニスを習っていたという。
スクールで基本をきちんと習ったのだろう、そのフォームはとてもきれいだ。なにより試合に慣れている。
高山くんもこんなプレーをするのだろうか。
「ねえ、高山くんもタカみたいなプレイヤーだったの?」
「いいや。あいつとは全然違うなり」
「どう違うの?」
「あいつは素直すぎるぜよ」
「素直…」
タカは勉強も部活も一生懸命やる生徒だ。周りのペースに崩されず、こつこつと積み重ねていく。
家庭ではどんな顔を見せるのだろう。
「家ではどんな様子?」
「…生活時間が違うからあんまり話さないぜよ」
高山くんとタカは生活時間が違う。保護者も忙しいのだろう、家庭訪問ではお母さんと話したが、帰宅は遅いようだった。
「お姉さんは?」
家族構成の欄にもうひとり名前があった。高山くんより二つ上のお姉さん。
「看護師やっちょる。仕事始めてから家出とるから、たまにしか顔見せん。勤務時間も三交代制じゃし」
「遠くに住んでいるの?」
「県内なり。…姉貴は昔から家を出たがってた。親が転勤多くて、それが嫌だったなりよ。転校するたびに俺の前では早くおとなになりたいと言っとった。看護師選んだのも自分で生活できるような気がしてならん」
「そうなんだ」
「やりたいことがあるならやればいいんじゃ。姉貴は変に責任感あるから、家でも外でもええ子やった。忙しい親に代わって学生んときは家におって家事とかやっとった。タカの送り迎えとかも姉貴がやっとったけど、働き始めたら出て行くことを決めていた姉貴なりの誠意だったんだと思うなり」
私がなんとも言えない顔をしていたのだろう。
高山くんが話を続ける。
「仲悪いんとは違うなり。タカも姉貴のことは大好きじゃ。姉貴はあの家にあわんかっただけなんやと思っちょる。不器用なやつだから、うまく感情を出せんかっただけじゃ」
「そう」
彼の口ぶりから言葉以上にわかってしまったことがある。
ああ、彼は幼いときからそんなお姉さんの感情を読んでいたのだ。そしてそれを壊さないようにお姉さんの気持ちをただ聞いていたんだと。
彼にとってお姉さんはとても大事なひとなんだろう。
そしてお姉さんの気持ちもその小さな肩に乗せていたんだ。
高山くんは家族から見える愛情を受けなかった。撫でる触るなどの相手の価値や存在を認める、肯定的ストロークが少なかったんだ。
そして彼もまたまっすぐに愛せなかったんだ。
「タカは生まれてすぐにこっちに越してきてるから、そんな生活を知らんなり」
「タカと仁王くんでは、育った環境が違うのね」
どうりで。年が離れているとはいえ、二人には同じような匂いがしなかった。
タカからはお日様の匂いがする。ぽかぽか暖かく、そばにいると心地よい。彼の周りにはいつもひとがいる。彼が話の中心となっていることも多い。
高山くんはそういう輪にいるように思えなかった。盛り上がると自然とその輪から離れるようなところがあるから。
タカが太陽なら、高山くんは星だ。
サービスゲームをきちんと制し、タカの勝利。危な気が無い。安定した試合運びだった。
試合を終えたタカが高山くんの元に来る。
「強くなったなり」
「試合なんて一度も観に来たことがないくせに、強くなったなんてわかるの?」
「ラケット振るのが精一杯だったのに、言うようになったぜよ」
くしゃり、とタカの頭をなでる。いつも穏やかで周りの生徒と比べると、おとなびた雰囲気を持つタカが、いまは拗ねたような恥ずかしがるような顔をしている。
高山くん、気づいているのかな。
高山くんもまた、とてもお兄さんの顔をしているってことを。
そしてその隣のコートで行われているダブルスの意外な試合展開。息のあったプレー、試合を握っている。
この二人、本当に組んだばかりなのだろうか。
高山くんの見抜く力。試合は初めてなのに、策で勝つ。
引くことを知っているということは、攻めることも知っているということなのだ。
このひとはとても強い。
私が想像しているより、もっと。もっと。
初めて組んだダブルスも結果を残し、手ごたえを感じる。大会に向けていい調子だ。
試合を組んでくれた顧問にお礼を言うと、「力をつけてきましたね」と誉めていただいた。「さらにいいチームになっている」とも。
大会まであとわずかだ。部員たちは高山くんの指導の下、ここにきて急激に伸びている。
学校に戻ってきて、片づけをした後解散する。
日が傾いている。長い一日だった。
部員を門まで見送り、高山くんのほうを振り返る。
高山くんはあくびをしていた。一日かけての部活だ。徹夜した体にはきついだろう。
「今日はありがとう。助かったわ。よかったらご飯でも食べに行かない?」
早く帰ったほうが体は休まるだろうけど、どうせ今日は車で送っていこうと思っていたのだ。少し寄り道してもいいだろう。
「…ええよ」
再び車に乗り込む。エンジンを掛け隣に高山くんが乗ったのを確認して、サイドブレーキに手を伸ばす。
「…今日ね、朝姿を見なかったとき、来ないんだと思ってた」
気分屋なんだと思った。やっぱり、とも思った。
「ウソはつくが約束はやぶらんぜよ」
はっとさせられる。
なにか大事なものを投げられたような衝撃だった。ずしりと重い、なにかを。
車の振動に眠気が刺激されたのか、高山くんはそのまま窓に頭を預けて寝てしまった。
横顔しか見られないけれど、眠ると普段出しているちょっととがったオーラがなくなり、幼い感じがする。
あれだけ鋭い言葉を投げたくせに、もうそのことにはとらわれない。
先日別れ際に仁科さんに言われた言葉を思い出す。
『彼はコート上のペテン師、と呼ばれていたのですよ』
中学生でそんなあだ名がつくなんて、どんな生徒だったのよ、とそのときは思ったけれど。
近寄ったと思うとすぐに遠くなる感じが、そのアンバランスな感じが、私にはなぜか怖く感じた。