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20話
「カラン」と店内のベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
顔を上げると、そこに立っていたのは――
黒い外套に身を包んだ、一人の少女だった。
「こんにちは。あなたがクロノ助のご主人ね」
少女の瞳は深い緑色をしていて、吸い込まれそうなほど澄んでいる。
「そうですけど......どうして、クロノ助の名前を......?」
「たまたま通りがかった時に、店先でお名前が聞こえて.....」
足元を見ると、クロノ助は驚くほど自然に少女の傍へ寄り、
まるで昔からの友人のように尻尾を揺らしている。
「クロノ助と一緒に来たってことは……お友達?」
「ええ。お散歩をしていた時にクロノ助と仲良くなったのですわ。
クロノ助は、私のお友達ですもの。」
少女はそう言って、
クロノ助の喉が鳴るほど柔らかな手つきで、その背を撫でる。
「私はロズ・ソーン。よろしくね、ハル。」
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