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第14話

一方、とある森では──


深い霧の奥、黒くねじれた木々の間を、ひとつの影がゆっくりと歩いていた。


「さて、これからどうしようかしらね。」


女の声が、静寂の森に柔らかく響く。

楽しんでいるのか、それとも試しているのか。

その声音だけでは判断がつかない。


女のすぐ傍らに“形のない何かの気配”が寄り添っていた。


葉の落ちる音も、風の流れもない、時間の止まったような森。


その静寂の中で、“影”はゆっくりと動き始める。


女は楽しげに微笑み、度問いかけた。


「ふふ……ねえ。あなたは、どうしたい?」

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